連載2021.02.20
前回の記事では、手を付けやすいIT化としてASP型のECサイト構築を紹介した。また、消費者に共感してもらえるような商品コンセプトやストーリー(その商品を世に出した経緯)をウェブサイトやECサイト内でしっかりと訴求することもよく使われる方法だ。この共感は、家具のような比較的高額な商品の購入を決めるときの大きな要素になる。
また、家具という商品特性を考慮した場合、オンラインと実店舗を連携させる方法もお勧めしたい。例えばソファや椅子、テーブルなどの家具は、質感や座り心地、部屋全体の調和なども消費者が気に掛ける点である。実際にテレワーク用の椅子は少々高額であっても長時間使用して疲れないものが選ばれている。そこでウェブルーミング(ネットで探して実店舗で購入)という消費行動を元に、ネットから店舗への流れを作り出す。
それを実践している企業も既に存在する。商品コンセプトや仕様、利用シーンを伝えるウェブサイトを作り、そこから実店舗への来店を促す。店舗やショールームへの来店は予約制となっていて来店客には担当者がつく。ウェブで商品を見てから予約による来店という流れによって、店側としては3密を防ぎながら購入意欲の高い人を店に呼ぶことができる。来店客には商品説明だけでなく、部屋全体のコーディネートもアドバイスする。そのようなステップを踏むことで、高額商品でも消費者が安心して購入できる仕組みが構築されている。
さて、今回までで3回にわたってコロナ禍でのIT化をテーマにお伝えしてきたが、最後にデジタル・セキュリティーについて触れる。これからIT化を進めようという企業は、概してセキュリティーに関してのリスクを低く見積もりがちだ。直接、売り上げに貢献しないものなので、できれば投資も抑えたいであろう。しかし過去に少なくない数の企業がこれを怠ったために顧客からの信頼を失っている。
悪意あるハッキングへの防御もそうだが、それ以前に、まずは足元の対策を見直すことから始めていただきたい。例えばウェブサイトを置くサーバーや従業員のパソコンにセキュリティーが施されているか、ソフトウェアのバージョンは最新か、パスワードは管理されているか等々チェックし、自社と顧客のために安全にIT化を進めていただければと思う。
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問い合わせ先 info@vcre8.jp
〈キーワード説明〉
ASP(アプリケーションサービスプロバイダー) ソフトウエアを実行するためのアプリケーション(プログラムデータ)などをクラウドサーバーに置き、ユーザーがインターネットで利用できるサービスを提供するプロバイダーのこと。
<著者プロフィル>
えんどう・ひろゆき ウェブサイト制作・ウェブコンサルタント。ビュークリエイト代表。ホームページ制作を軸にウェブプロモーションなどによる企業の売り上げ向上の戦略・手法をアドバイス。ウェブサイト制作、ECサイト構築、オンライン会議、SNS活用、SEO対策などによる企業の売り上げ向上の実績多数。
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