連載2018.06.06
木材関連事業者に対して合法伐採木材の利用を促す「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)」の施行から1年たった。林野庁によると5月18日時点の登録木材関連事業者は99件に上っているが、家具業界の登録はゼロになっている。クリーンウッド法の概要と登録方法について次号にわたってお伝えする。
樹種ごとの把握に手間
1事業部単位
「できるところから」
登録の内訳は丸太の加工、販売、輸出を行う第1種木材関連事業が47件、第1種以外の木材関連事業者を対象とした第2種は91件。第1種との同時登録39件を差し引くと、第2種のみの登録件数は52件になる。
登録した事業者のうちインテリア用の無垢木材専門メーカーのマルホンなど3社に①なぜ登録したのか②要した時間③どこに一番時間がかかったのかについてヒアリングして結果を別表にまとめた。マルホンは通常業務をこなしながら約1カ月半で登録を終えた。樹種ごとの年間取扱量のまとめなどに時間がかかったという。
ここで、クリーンウッド法の登録についてあらためて整理してみる。
同法は欧米やオーストラリアのような規制法ではなく促進法であり、登録は任意となっている。登録は、主務大臣の登録を受けた5つの登録実施機関で行われているが、このうち家具は日本合板検査会、建材試験センター、日本ガス機器検査協会の3事業所で登録を受け付けており、各機関によって登録や5年後の更新手数料、年会費などが異なっている。
業界団体などがまとめて一括登録した場合、日本ガス機器検査協会(10社以上)と建材試験センター(5社以上)は、割安な料金を設けている。ただし、登録申請や認定は、あくまでも1事業者単位で行う。いわゆる団体登録はない。
日本合板検査会は、林野庁が定める「木材・木製品合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」に基づく証明や都道府県による認証を受けている事業者に対して、割安となる料金を設けている。家具業界では、日本家具産業振興会が同ガイドライン沿った合法木材供給事業者認定を行っており、92社が取得している。
クリーンウッド法の第2種木材関連事業者は、木材の購入先が多岐にわたる場合が多いため、部門、事務所、工場もしくは事業場、木材の種類ごとに合法伐採木材の利用を確保する措置を講ずることが認められている。つまり「できるところから」登録を進めることができるようになっている。
グリーン購入法の施行ともにつくられた「木材・木製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」に基づく認定との大きな違いは、クリーンウッドは国が主体となり登録実施事業者に委託して認定する点だ。海外に製品を輸出する際も、合法性確認を行うためのデューデリジェンス(DD)を担保することができる。
林野庁によると、補助金などを伴う施策も今後はクリーンウッド法の登録事業者を前提に進められるという。民間においても、BtoBの取り引きの要件となるケースが今後出てくることを視野に入れておかなければならない。クリーンウッド法に登録しているか否かが、ビジネスの分かれ目となることもあるだろう。
次号はクリーンウッド法の内容に踏み込んで解説する。
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