連載2020.08.19
第1回に続き、出版の契機についてもう少し記したい。
そもそもイームズのシェルチェア(プラスチック製)が初めて日本へ送られてきたのは1951年のことだ。日本のインテリアデザインの草創者である剣持勇にアームチェアLARが。そして、日本を代表する画家であり、日米のアート&デザインの掛け橋を務めた猪熊弦一郎にロッキングアームチェアRARが。この2脚は共にイームズから直接送られてきたものだ。いろいろ見解があったようだが、私はまさに「黒船来航」のごとく捉えている(シェルとは成型品のことで合板もプラスチックにも該当する)。
この頃が第1弾としたら、第2弾は60年代前半の日本国産化前後の頃であろう。ちょうど私が高校・大学生の時で、戦後米国のデザイン界が華やかなりし頃であった。バウハウス系のデザイナーたち、レイモンド・ローウィ、ソール・バス、ベン・シャーンらが活躍し、日本への影響もかなりあった。イームズはもう少し後になるが、今思うとそれらは素晴らしいデザインであると同時に発見・発明を伴うデザインではあるが、今の日本のデザイン潮流とは異なるような気がする。
日本は今、デザインの本流を見直す時期であり、デザインを語るためには、しっかりとした時代認識を併せ持たないと説得力のある解釈と説明はできないと思う。このことも、今回の出版を決意した理由の一つである。
そのような観点から、イームズのデザインは一般的に造形美が先行するが、「必要」から生まれた発見・発明も多くある。ことわざで言うならば「Necessity is the Mother of Invention」。
出版のタイトルを「イームズの思考/超越した『普通』」としたのは造形美+発見・発明があることを意味している。それらはイームズの自然体から生み出されたもので、現代でも一般大衆に愛着を持たれていること、そして日常の暮らしに永遠性のある強力な「普通」があることから、このタイトル名にした。
デザインのスタイルはさまざまで、イームズスタイルのみを高く評価しているわけではない。むしろ知っておくべきベーシックな考え方だと思っている。
次回からも引き合いと引用を用い、イームズのデザインと思考を比較して語り、主に公開予定の図面から想起されるさまざまなことを述べてみたい。
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