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★籐家具の風間、宮大工集団と新事業 「横濱黎和モダン推進協議会」を設立

プロジェクトの発端となった神輿は、よこはま匠フェスティバル2025で展示された
100年の歴史を再現した風間の籐家具

 籐家具メーカーの風間(横浜市金沢区)はこのほど、一般社団法人・半原宮大工集団(神奈川県愛甲郡愛川町)と連携して、新たな和モダン文化と産業創出を目指す「横濱黎和モダン推進協議会」を設立した。風間の籐家具の技術と、江戸城建築を担ったという宮大工集団の伝統技術を融合して、和モダン製品の共同開発や商業施設の空間デザインの事業化などを目指す。
 両社によると、横濱黎和モダンは籐家具と宮大工の技術を基に、かつての大正モダンを再解釈・再編集し、令和の時代の新しい文化を創っていこうという取り組み。
 具体例として、障子に和紙の代わりにラタンのメッシュを張り、宮大工の技術と合わせてクローゼットを作ったり、籐を喫茶店など飲食店や宿泊施設の建材として利用するなどをあげている。
 また両社による市民向けのものづくり体験プログラムや、半原宮大工集団が行っている和太鼓体験などを観光事業に育てていくほか、文化研修による人材育成など多角的な事業を進め、横浜発の文化・産業を国際的なブランドに育てていくとしている。
 横濱黎和モダン推進協議会には2社のほか、エンリッチライフジャパン、こころ、西部ハウジング、横浜信用金庫など神奈川県内の企業が参画している。
 今回のプロジェクトは、横浜市西区の戸部杉山神社に保存されていた神輿が、半原宮大工の棟梁で河内屋創業者の河内福賢氏が1953(昭和28)年に製作したものと判明したのがきっかけ。創業104年の風間が、半原宮大工集団と連携して洋家具発祥の地・横浜の新たな産業創出に取り組むことになった。

ひっそりと神輿庫に眠っていた宮大工建造の神輿
半原宮大工の特徴である彫刻
半原宮大工、矢内匠家十四代目曾孫弟子の鈴木光雄氏

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