ニュース2025.11.28
フィリピン最先端のデザインが集まるManila FAME(マニラ・フェイム)。知る人ぞ知るそのクオリティの高さは、一度行ってみるとよくわかる。マニラ・フェイムのイベントの歴史と今後の取り組み、主催するCITEMの活動について、同コミュニケーション・アンド・クリエーティブ部門マネジャー、ジョセフ・バーナット氏に聞いた。
Manila FAMEの舞台裏
CITEMコミュニケーション・アンド・クリエーティブ部門マネジャー
ジョセフ・バーナット氏に聞く
――まず日本の皆さんに主催者であるCITEMについてご紹介ください。
私たちは、フィリピン政府貿易産業省(DTI)傘下の輸出促進部門として40年以上活動しており、ファッションやライフスタイル全般を対象としたこのような国際見本市を開催するなどプラットフォームを提供することで、中小零細企業、さまざまなブランド、デザイナー、メーカーを支援してきました。
CITEM はマニラ・フェイムだけでなく、IFEX フィリピン(国際食品博覧会)などの他の見本市も開催しています。そして、東京インターナショナル・ギフト・ショーなど海外の見本市にも出展してきました。
――マニラ・フェイムは1983年から始まりました。その時から家具は展示されているのでしょうか。
はい、もちろんです。フィリピンの家具産業は、実のところ最も労働集約的で芸術的な産業の一つです。2023年のデータを見ると、この業界の市場規模は実際には約7億8000万米㌦でした。重要な生産拠点はここメトロマニラにあり、他にはセブ州、そしてパンパンガ州にもあります。
今回の参加企業 325 社のうち、約35社が家具業界から参加しており、大変嬉しく思っています。
――2025年のマニラ・フェイムの開催規模はコロナ前に戻ったと言えるのでしょうか。
パンデミック前の2019年の参加企業は約300社でした。今年は何とか 300 台強だったレベルに戻ることができてうれしく思っています。私たちはコロナのパンデミックで壊滅的な打撃を受けました。21年と22年はデジタルイベントに移行しました。物理的なイベントをデジタルで再現しようと試みましたが、今のところ成功だと考えています。
――今年のテーマは「Objects of nature」です。なぜこのテーマが選ばれたのでしょうか。
フィリピンには7641の島があります。世界全体で見ても、フィリピンは類を見ない、生物多様性に富んだ国の一つなのです。
私たちには豊かで多様性があり、そこから「Objects of Nature」というテーマのインスピレーションを引き出すことができました。それとは別に、デザインのトレンドも調べました。海外の調査や研究を見ると、25年から26年にかけての重要なデザイン要素として自然が再び注目される傾向にあることがわかります。だからこそ、私たちはこの特別なテーマを持つことができたのです。
これは、私たちにとっても戦略的なテーマでもあります。なぜなら、昔ながらのライフスタイルに関するフィリピンの製品やサービスに関して、競争力を持つような独自の提案を描くことができるからです。
――マニラ・フェイムのサイネージはすてきですね。どなたが考えているのでしょうか。
実は社内のグラフィックアーティストとデザイナーによって制作されたものです。毎年テーマに合わせてデザインを考えています。今年は「Object of nature」のために、何度も案が練られました。このグラフィック・デザインを世界に公開できることを非常に誇りに思っています。
――今年は香港からの出展もありました。日本からの出展についてもウエルカムでしょうか。
はい、もちろんです。国際パビリオンを設けて、ご希望があればさまざまな国を招待し、参加企業を募っています。今年は香港とタイが参加しました。もちろん、日本は主要貿易相手国の一つなので、いつでも歓迎します。日本はマニラ・フェイムの訪問国トップ10にも入っていますので、非常に重要な国なのです。来年には、マニラ・フェイムに日本企業が加わることを願っています。それは素晴らしいことです。
――これからマニラ・フェイムはどのように進化していくのでしょうか。
私たちは2026年に向けて準備を進め、ブレーンストーミングに時間を費やしています。既に第一弾のキャンペーンを開始しました。来年は2026年10月15日から17日、ここワールド トレード センターで開催を予定しています。
来年は私たちが今年築いてきた物語を継続することになるでしょう。テーマは「Objects of Nature」から「BLOOM」に変わる予定です。なぜ「BLOOM」か。それは社会と創造の進化のメタファーだからです。デザインに関しても「BLOOM」は、私たちに変革の瞬間を見せてくれます。特定のアイデアやインスピレーションが、基本的に具体的かつ有意義な成果へと育まれる変革となります。「Objects of Nature」から「BLOOM」へ。私たちは、特に日本からいらっしゃるバイヤーや来場者の方々から、引き続き圧倒的な支持を得られることを願っています。
※12月3日号「フィリピン家具の潮流 Manila FAME㊦」でその家具デザインの数々を紹介します。
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