ニュース2025.12.31
トランプ関税の影響で動くアジア市場。欧州では厳しい環境規制の波が押し寄せている。ベトナムで製品マーケティングの仕事に長く携わっているKURASHICO(クラシコ)の阿部政幸氏に、その業界動向を伝えていただく連載をスタートする。(写真は阿部氏提供)
2025年の今年は、トランプ関税により、ベトナム国内の家具メーカーは影響を大きく受けています。主にアメリカ輸出に依存していたため、7月以降はその注文がストップ、注文が半減して「工場生産しないほうがまだマシ」と生産を止めているメーカーさんの話も聞きます。
ベトナムの家具の品質レベルは、あまり高くないと思われている日本の方も多いかもしれませんが、技術的には劣るものの、機械設備を比較すると、ベトナムの家具メーカーさんのほうが優れている場合があります。
日本の家具製造の場合は、技術力のある職人さんがいることで、従来の機械を使用して、十分な品質のものが作れる土壌があります。
ベトナムの場合「自国に技術力がないこと、人件費は将来必ず上がる」という前提で、技術とコストの兼ね合いを考えて、積極的に最先端の機械を導入しています。日本では見ることのないような、欧米の最先端機械を見る機会も少なくありません。自国に技術力がない分、機械で補っていこうという考えは、ベトナム企業のほうが先を見据えた意識があると感じます。
こうした背景から、従来は対米輸出をターゲットにして、安価で大量生産の家具製造システムを持っているメーカーさんが生産の主流でしたが、世界的に流通小売市場の落ち込みが激しいため、現在は小ロット多品種の製品を作れるメーカーさんのほうが、海外からの新規問い合わせは多いようです。
現在、私のほうも日本の企業様から、ホテルなどの物件向けの外装、内装資材や家具調達の調査をサポートしていますが、今後期待値のある分野だと思っています。
今まで、ベトナム国内向けの物件家具対応をしてきた工場の中で、海外輸出もできる品質に改善してきたところが、徐々に輸出対応を進めています。製品のカスタマイズを柔軟に対応できるメーカーさんが、ベトナム国内では、徐々に力をつけつつあるように感じています。
あべ・まさゆき KURASHICO(クラシコ)代表取締役。1980年生まれ。大分県玖珠町出身。埼玉大学経済学部卒。ガーデニング製品の販売会社10年勤務。2014年ソファメーカーのベトナム国内販売の営業としてベトナム・ホーチミン勤務。18年クラシコ社設立。ソファ販売以外にも、製品マーケティング、営業、製品調達サポートなど。ベトナムで始めたブラジリアン柔術に没頭中、世界大会で銀メダル獲得。
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