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2018飛騨の家具フェスティバル特集 その1
コントラクトに注力 ブランド力に磨きを パーティーも年ぶり復活 9月5日開幕
飛騨木工連合会 白川理事長、野尻事務局長に聞く

白川理事長
野尻事務局長

 デザインと匠の技の競演「2018飛騨の家具フェスティバル」が9月5日から9日までの5日間、岐阜県高山市で開催される。主催は2018飛騨の家具フェスティバル実行委員会と協同組合飛騨木工連合会。今年のテーマは、飛騨のものづくりの理念とポリシーの柱となる飛騨デザイン憲章第2条「人がつくる~人がつくり、人をつくり、人とある~」。メーン会場の飛騨・世界生活文化センターでは「The Restaurant」をテーマに、各社の代表作と、岐阜の小物や食材が彩りを添えるレストランが登場する(展示詳細は2・3面)。今年の展示の狙い、飛騨の家具の未来について飛騨木工連合会の白川勝規理事長(シラカワ代表取締役会長)と野尻修二事務局長(同取締役)に聞いた。


■交流パーティーを復活
 ―昨年の「飛騨の家具ホテル」に続いて今年もコントラクトにフォーカスしている背景について教えてください。
 白川
 ホームユースだけではなく、コントラクトビジネスにも飛騨は力を入れていることをもっとアピールしようということで、メーン会場を使って発信します。2020年の東京五輪・パラリンピックを契機として、22年頃まではコントラクト需要は伸びていくと思います。今後の受注に結び付けていくためにも、5年間はコントラクトビジネスをテーマにやっていこうということで昨年からスタートしました。
 ―ほかに今年ならではのハイライトは。
 白川
 全国各地からいらっしゃるお客さまを招いた「ふれあいパーティー」を開幕日の5日夜に開催します。交流パーティーの開催は10年ぶりです。屋外の「ふれあい広場」を中心にメーン会場の「The Restaurant」にも飛騨のお酒や食材を用意しておもてなしいたします。
 ―なぜパーティーを開催するのですか。
 白川
 待っていて売れる時代は終わりました。ネットショッピングをはじめ販売チャネルが多様化する中で、さまざまな業種とのコミュニケーションを広げてビジネスする時代です。パーティーを通じて、出会った方々と名刺交換する機会を設けて、業界の活性化につなげていきたいと思います。

■飛騨の木材「使いたい」
 ―今年も「国産材家具サミット」が開催されます。「飛騨の家具」に飛騨地域の木材を使えば、ブランド力がさらに高まるのではないでしょうか。
 白川
 海外の展示会に行くと「日本は森林資源に恵まれているのになぜ外国産材を使うのか」と聞かれます。飛騨には昔、製材業者が立ち並び、今の市役所跡の辺りには「製材通り」と呼ばれるほど地域の木材を使っていた時代がありました。本当は地元の材料で作ったものを出していきたい。材料にも高い付加価値と物語性があることを伝えて売っていきたい。しかし、山からは広葉樹の大径木は出てこなくて、家具に使えそうなパルプ材を買っているのが現状です。国策としてスギ材を使うことも分かるのですが、主伐できるブナやナラが山の中にはあるはずです。林野庁には、長いスパンで考えて、もう少し広葉樹に目を向けてほしいと話しています。

■CW法より厳しい基準
 ―フェステイバル期間中に家具新聞社のセミナーも開催します。クリーンウッド法についてどう考えますか。
 野尻
 クリーンウッド法の趣旨は合法伐採木材を使いましょうということで、この点については大賛成です。飛騨木工連合会では、かねてより合法伐採木材の取り組みを進めています。木工連にはブランド委員会があり、その一番の成果は「飛騨の家具」を2008年に地域団体商標として登録したことです。認証には6つの条件があり、その中に合法木材を100%使うことをうたっています。日本家具産業振興会(日家振)の国産家具表示認定も「飛騨の家具」の認証をベースとしています。むしろ私たちはクリーンウッド法よりも厳しい基準でこれまでやってきたのです。飛騨がクリーンウッド法に関する理解が薄いという発言があれば、それは認識が間違っています。むしろ先を行ってます。ただ、これまで業界で取り組んできた「合法木材供給事業者」認定と二重に登録しなければならないことが登録への疑念としてあるのです。
 白川 登録実施機関を見ると家具とは関係のないところばかりで、本当にチェックできるのかという疑念もあります。国産家具認定と合法木材供給事業者認定に取り組んできた日家振がチェックするのが一番だと思います。もう一つ、輸入家具の合法性のチェックについても、しっかりやってもらわないと、国産家具メーカーの首を絞めるだけで終わってしまいます。
 ―大塚家具の業績が低迷してマスコミでも話題になりました。今の国内家具市場をどう見ますか。
 白川
 これまでプライスリーダーだった大塚家具の業績不振の影響はやはり大きい。当社(シラカワ)も30年ほど前から取引があります。相当打撃を受けているところもあるはずです。いいものを売る店が少なくなり、安価な家具に消費が集まる中で小売店も頑張っていると思うのですが、全体からすると10%は売り上げがダウンしていると思います。ただ経済指標を見ると決して悪いわけではありません。先月から好転する気配も出てきていて、今年後半にかけて少しは良くなっていくのではないでしょうか。

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