ニュース

★「木匠の技・機械の業」テーマに日本木工機械展開幕

多くの来場でにぎわった2023年の日本木工機械展/Mokkiten Japan 2023

 最先端の木材加工技術が集まる木工機械の国内最大の展示会「日本木工機械展/Mokkiten Japan 2025」(木機展)がきょう10月2日に開幕した。4日まで、名古屋市港区のポートメッセなごやで開催される。主催する一般社団法人日本木工機械工業会によると、国内メーカー・販売商社をはじめ、海外からも32社・団体が参加し、出展社数は前回展(2023年)の155社・団体、1063小間を上回る170社・団体、1180小間の規模で開催されている。

 木機展は内外の木材加工機械・林業機械などを一堂に展示・紹介し、木材加工産業と環境産業における生産設備の合理化、商取引の促進、貿易の振興に貢献し、これらの産業の発展に寄与することを目的に2年に1度開催され、今回で47回目を迎える。
 今年のテーマは「木匠の技・機械の業」。木材加工に必要な職人的な技能の継承と人手不足問題解決のために機械技術などの最先端技術を紹介する場を目指している。
 出展分野は、製材・合板・集成材・木工・プレカット・窯業系サイディング・樹脂など最先端の加工技術に加えて、刃物・塗料・接着剤・乾燥・集塵・建築・家具金物・DIYなど関連分野の製品が紹介されている。
 また、木機展出展製品から木材産業や関連産業の発展に寄与すると認められる製品が技術優秀賞が選ばれ、展示会初日の10月2日に行われる表彰式で発表される。
 展示に加えて、講演会・セミナーが会場内コンベンションセンターなどで催される。今回は木材乾燥技術や国産木材の輸出、木材産業の作業安全・火災対策などのテーマで各界の専門家が講演する。
 また10月4日、5日には全国各地の地域材を活用した家具や建材、木製品を集めた「ウッドワンダーランド2025」が、コンベンションセンターで開催される。家具、建材、遊具など木製製品が並び、DIYの体験コーナーなど盛りだくさんの企画が予定されている。

人手不足問題の解決策を
日本木工機械展/Mokkiten Japan 2025 実行委員長 田中 秀幸氏

 本展は、木材、源泉となる森林の重要性を広め、その持続可能な利活用を機械システムでサポートする国内外の機械メーカー・販売商社による日本最大の展示会です。
 今回のテーマは「木匠の技・機械の業」です。昨今の人手不足問題は単なる労働人口の問題だけではありません。先人たちが有していた、木を見る目、それぞれの木に適した加工技術など職人的な技能も少しずつ失われつつあります。
 この問題を解決していくこと、すなわち匠の技を機械の業で継承していくことも業界の大きな使命です。高度画像処理、AI、IoT、ロボット技術などの進化により、こうした問題を解決する機械システムが数多く開発され、皆さまを会場でお待ちしていることでしょう。
 今回の展示会開催時期は、同時に2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会期中でもあります。万博会場のシンボルでもあり、世界最大級の木造建築物である「大屋根リング」をご堪能いただき、まさに未来に向けた木材の可能性を体感していただきながら本展示会にお越しいただくというのもよろしいかもしれませんね。
 本展が業界全体の発展に貢献し、それぞれの皆さまにとって少しでも実りのあるものになりますよう、関係者一同最善を尽くし取り組んでまいりますので、ぜひご期待の上、お一人でも多くのお客さまにご来場いただければ幸いです。

講演会・セミナー
■講演会・木材乾燥技術の現状と今後の開発の方向性
日時:10月2日(木)午前10時~12時
会場:コンベンションセンター4階
講師:日本木材加工技術協会会長 信田聡氏、河崎技術士事務所所長 河崎弥生氏
主催:日本木材乾燥施設協会
■セミナー・木材輸出促進セミナー 日本産木材の輸出拡大に向けた課題と展望
日時:10月2日(木)午後1時30分~午後3時30分
会場:コンベンションセンター4階
主催:日本木材輸出振興協会
内容:
①米国における森林政策と関税の動向(講師・林野庁木材利用課 木材貿易対策室 室長 高畑啓一氏)
②協和木材における製品輸出の取組(講師・協和木材株式会社 専務取締役 佐川和佳子氏)
③米国市場における国産材活用の可能性と課題(講師・住友林業株式会社 木材建材事業本部住宅・建設資材営業部グループマネージャー 山川典久氏)
④日本産木材の輸出の展望(講師・一般社団法人日本木材輸出振興協会 会長 山田壽夫氏)
■ワークショップ・今頃ダイバーシティ!?
日時:10月3日(金)午後3時~5時
会場:コンベンションセンター4階
話題提供:名古屋大学大学院生命農学研究科教授 山﨑真理子氏
事前申し込み制(info@woodmic.com。9月25日締め切り)
問い合わせ:ウッドミック(電話0562-85-4139)
■セミナー・人手不足時代に求められる木材産業の火災対策
日時:10月4日(土)午前10時~11時30分
会場:コンベンションセンター4階
内容:
①木材産業における工場火災の発生状況と対策について(講師・林野庁木材産業課長 福田淳氏)
②専門家から見た工場火災の特徴と課題(講師・日本防火技術者協会 理事 小林恭一氏)
③工場火災対策の取組状況(講師・中国木材(株) 取締役副社長 弘中京一郎氏)
④集塵装置の防火安全対策(講師・井上電設(株) 専務取締役 三輪誠氏)
問い合わせ:日本木工機械工業会(電話052-261-7511)
■令和7年度木材切削講習会
日時:10月3日(金)午前10時~午後4時30分、10月4日(土)午前10時~午後3時30分
会場:交流センター
有料、事前申し込み制(https://www.jwta.or.jp 9月19日締め切り)
主催:日本木材加工技術協会(電話03-3816-8081)
■シンポジウム国際シンポジウム―木材工業のアジア展開 国際競争と国際共創による未来づくり
日時:10月3日(金)午後1時~5時
会場:イベント館
事前申し込み制(https://forms.gle/65Arhzx22ZEBgJ5H6)
主催:日本木材加工技術協会中部支部
【オンラインの催し】
■シンポジウム・ネスティングって何?―箱物・収納家具業界の省人・効率化はこれだ!
日時:9月26日(金)午後3時~5時
事前申し込み制(https://www.jwta.org 9月12日締め切り)
主催:ウッドミック

日本木工機械展/Mokkiten Japan 2025
◇会期・時間=2025年10月2日(木)~10月4日(土)午前9時~午後5時
◇会場=ポートメッセなごや(名古屋国際展示場)第1展示館、屋外展示場(名古屋市港区金城ふ頭3―2―1、JR名古屋駅からあおなみ線「金城ふ頭駅」下車)
◇主な出展品=製材関連機械(原木選木・皮むき関連、木材乾燥機械、合板・LVL関連機械、集成材・CLT関連機械、プレカット機械)▽木工機械(NC加工機械、研磨関連機械、建築・木工・建具用汎用機械、木質ボード加工機、接着・接合機械、塗装器機・塗装設備、その他)▽林業機械▽集塵関連機器▽焼却・ボイラー関連機器▽粉砕関連機械▽おが粉・ペレット製造機▽搬送システム・マテハン▽刃物関連▽工具・部品▽試験・計測・分析機器▽ソフトウェア関連▽接着剤・塗料・研磨剤・研削剤▽その他関連機器・部材▽その他。
◇入場料=無料(事前登録が必要 https://mokkiten.com/)
◇問い合わせ=日本木工機械展主催者事務局(電話052-261-7511、Email mokkiten@j-w-m-a.jp)

実行委員長の田中秀幸氏

ニュースの最新記事