ニュース2022.10.06
DX(デジタルトランスフォーメーション)の動きが加速している。世界10カ国に拠点を持つコンテントサーブ社は、企業の資産である商品情報を効率的に一元化して、EC(電子商取引)などのマーケット拡大を支援するPIM(商品情報管理)ソリューションを提供している。今後は日本の家具・インテリア、住宅設備業界での導入も進みそうだ。企業の商品情報管理を変革するPIM(ピム)とは何か。PIM導入のメリットについてコンテントサーブ社セールスマネジャーの小菅徹哉氏に聞いた。
――ECビジネスにおいて、他社との差別化に必要なものは。
新型コロナウイルスの感染を防ぐために、対面での営業や接客を極力控えるところが増えてデジタル化が加速しました。インターネット上ではさまざまな情報があふれていますが、ECサイトで購入するには、より細かい情報が求められる一方で、消費者は自分に必要な情報だけを受け取りたいというニーズがあります。
例えば家具の場合、画像だけでは実際に使う感覚がなかなか伝わりにくいため、そこをネット上でどう補完するかが大きな課題になっていると思います。
こうしたニーズに対応するために、ネット上で顧客接点をいかに強化していくかということが非常に重要なポイントになっています。単にサイトをリニューアルして情報量を増やしてもコンバージョン(訪問者が目標とするアクションを起こすこと)が上がるわけではありません。
急激な円安によって原材料費が高騰して経営環境も悪化しており、単純にコストを削減するだけでは生き残りは難しくなっています。さまざまな外部環境の変化の中で、商品の価値を正しく市場に理解してもらい、適切な価格で取引を実現していくための力を磨いていくことが必要です。
そのためには、買い手が誰であっても同じ画像、同じテキストで情報を発信するのではなく、お客さまのペルソナ(商品やサービスを使用する人物像)やシチュエーション、一人一人の文脈に合わせた商品情報を提供していくこと。これが、私たちが目指しているところです。BtoCに限らずBtoBでも、お客さまの業態やビジネスにおける検討段階のフェーズにおいて、ニーズに合った情報を提供して購買の展開率を高めることが必要です。
私たちは、お客さまにパーソナライズされた情報を提供して商品の差別化を図るために、PIMソリューションを通じてお手伝いすることを目指しています。
――PIMを導入することによって何が変わるのでしょうか。
PIMとはプロダクト・インフォメーション・マネジメントの略称で、商品情報管理を意味しています。皆さんは何らかの形で商品の情報を管理していると思うのですが、全ての商品の情報を一元的に管理し、その情報を拡張して豊かに(エンリッチメント)して、サイトを通じてさまざまなお客さまとの接点をつくっていく。私たちはその一連のプロセスを管理するソリューションを提供しています。
商品情報といえば、製品のサイズなど仕様に関するものと捉えられる傾向がありますが、キャンペーンなどの販促情報、商品の画像やプロモーションに使われる動画、さらにお客さまのペルソナ情報までさまざまな情報があります。こうした情報が、さまざまなシステムに散在していたり、エクセルなどを使って個人が管理していたりして、組織で横断的に活用することができず、商品情報を集めることに労力を割かれているケースが多く見られます。あるいは入手した情報が本当に最新のものか確信が持てないという状況も聞かれます。
PIMを導入することによって、社内に散在している情報を効率的に集約して一元的に管理することが可能になり、常に最新の正確な情報を簡単に参照して活用できるようになります。マーケティング担当の方は、時間をかけずに商品情報を収集することが可能になり、例えばEC担当者や営業が求める情報をすぐに提供できるようになります。この結果、コンテンツ制作や企画といった、企業が本来集中すべきところにリソースを割くことができるようになります。
――世界各国でコンテントサーブが使われていますが、その導入メリットを教えてください。
PIMはECだけをターゲットにしたものではありません。社内に散在している商品情報を集めて業務の効率化を提案するもので、その一つがECという位置づけです。
ECへの活用を考えているお客さまの多くは、商品情報のECサイトへの登録や登録された情報のメンテナンスに労力を割かれ、十分に商品情報を活用できず、ECの出店数や商品掲載数を増やせないという課題を抱えています。販売機会そのものを失ったり、本来の商品価値を適切に伝えられなかったりして顧客の購入機会を失っているわけです。PIMを導入すれば、楽天やアマゾン、ヤフーなどさまざまなECサイトへの商品登録を自動化して、より多くの商品をECサイトに掲載することができるようになります。
マーケティングにARを活用するところも増えていますが、3DデータなどもPIMで管理できます。あらゆる商品情報管理のニーズに柔軟に応えることができるのがコンテントサーブの大きな特徴です。
Contentserv(コンテントサーブ) コンテントサーブ社が提供するPIMのクラウドサービス。世界400社で使われている。日本ではスポーツ用品メーカーのミズノ、精密測定メーカーのミツトヨなどが導入。海外では家具・建具金物を提供するハーフェレなどが同社のサービスを利用している。コンテントサーブ社は1999年にドイツで創業、世界10カ国に拠点を持つ。
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※コンテントサーブ社が主催するPIMサミットが10月20日に開催される。申し込みはこちら
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