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★木材流通など課題解決へ 金沢市の2社が業務パッケージシステム開発

treeflowの4つの機能

 木材卸売のフルタニランバー(石川県金沢市)と、システム開発のアイパブリッシング(同)は1月6日、木材業界に特化した業務パッケージシステム「treeflow(ツリーフロー)」を発表した。
 このシステムは木材業務の販売管理、在庫管理、物流管理、オンラインショップアプリの4つの独立したクラウド型システムで構成。総合的なクラウド型木材業務パッケージは業界初という。
 両社は同システムを全国販売していく方針だが、予算や目的に合わせてシステム単体または組み合わせての導入や、カスタマイズにも柔軟に対応するとしている。
 両社によると主な機能と特徴は次の通り。
 ①販売管理=業界特有の業務に対応し、仕入、在庫、売上、入金、支払いなど汎用性の高い機能を備えている。
 ②在庫管理=製品名や仕様などの情報を埋め込んだ電子タグを商品に貼り、それらをスキャンすることで商品を動かさずにリアルタイムで在庫管理や棚卸作業が可能。顧客からの注文が入ると、出荷担当者の端末に注文情報と商品の位置情報が表示され、出荷作業を効率化する。
 ③物流管理=出荷から顧客に届けるまでの工程を管理し、配送状況を可視化する。配達開始時、納品書に印字されたQRコードを配達員の端末で読み取ることで、配送登録すると同時に配送予定時刻を記載したメールが顧客に自動で送られる。配送が完了した際も受領書のQRコードを端末で読み取ることで配送完了登録ができる。
 ④オンラインショップアプリ=会員登録をしている顧客を対象としたBtoB向けECサイトで、WEBサイトのほかスマートフォンにも対応。販売管理システムと連携することで、在庫がリアルタイムで反映され、注文情報は事務担当者と出荷担当者の端末に自動で送られ、伝票でのやりとりが不要。
 木材業界は、ウッドショックによる木材価格の高騰や国産木材の川上―川下間の材料供給体制、高齢化による人材不足などの課題を抱えていることから、フルタニランバーでは1990年代から独自の販売管理システムを自社内で運用してきた。2018年にアイパブリッシングが新システムの開発を担当し、19年に完成したのが今回のシステムの原型となった。
 両社は木材業界の業務効率化につながる4つのシステムをパッケージ化し、現場の使いやすさを考えたシステム内容や業界特有の業務内容や習慣、事務処理にも対応する設計を実現したとしている。
 ◆システムの詳細はhttp://treeflow.ipublishing.jp

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