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マレーシア国際家具見本市特集 その2 東南アジア最大級の見本市 日本と活発にビジネス 世界130カ国以上が来場

来場者でにぎわうMITEC
C&Mエキシビションの杜彦兵氏

 「Design Connects People」をテーマに開催された2019年の「MIFF2019」は、世界各国から前年比4%増の2万478人が来場した。このうち世界130カ国以上の国々から6112人のバイヤーが集まった。特に米中貿易摩擦の影響からか北アメリカからの来場者が前年比53%増と大幅に増えた。会場では、中国企業の新たな市場を求める動きも目立った。アジアの動きがダイナミックに伝わる、それがMIFFの魅力でもある。

 2018年の中国のGDP(国内総生産)成長率は、6・6%と28年ぶりの低水準となり減速が際立った。米中貿易摩擦の影響から、中国企業の新たな市場を求めた海外進出も加速している。
 MIFF会場内では2017年から、UBMマレーシアと中国国際貿易促進委員会広東省委員会(CCPIT)の主催で「広東家具アクセサリー・ホームファニシングエキスポ」が開催されている。広東省からの出展は126社に及んだ。
 同展のマネージングを行っているフォーシャンC&Mエキシビションの杜彦兵氏は「広東からの出展はMIFF全体で2017年の180社から200社に増えている。2、3年前から中国企業の海外に市場を求める動きが加速している。特に東南アジア市場に注目している」と話した。
 広東のディグラント・ファニチャー・インダストリアルは1月にマレーシアの現地工場を稼働させ、マットレスの生産を開始した。同社のマーケティングディレクターは「米中貿易摩擦の影響の深刻化に備えて、米国向けの生産・輸出拠点としてマレーシアを選び、初めて出展した」という。
 MIFFでは、東南アジア家具産業の動きを肌で感じることができる。

オフィス家具の展示も

 2018年にそれまでのテント会場に代わってMITEC会場がオープンしたことによって総展示面積が25%アップ、MIFFの出展社数と展示のバリエーションが広がっている。
 MIFFの特徴の一つは、家具産地・ムアーの出展ゾーンが設けられていることだ。MITECがオープンする以前は、ムアーのメーカーが集まるテント会場がPWTCとは別に設けられていた。
 ムアーは、マレーシア南部の家具の輸出拠点であり、マレーシア政府はこの地を「ファニチャー・シティ」として位置付け、21年には約400㌶の広大な敷地にメーカーが集積する家具パークの建設を進めている。MIFFを訪れる日本からのバイヤーも、ムアーの出展ゾーンには必ず足を運び、メーカーとの取り引きが活発に行われている。
 もう一つの特徴はオフィス家具の展示ゾーン「MIFF Office」が設けられていることだ。19年はマレーシアのほかに中国、韓国、台湾、インドネシアから130社が出展した。東南アジアでMIFFのようにオフィス系家具を一堂に展示する見本市は少ない。
 MIFF会場に設けられたMillennials@Design(MAD)では、マレーシアの若手デザイナたちの活躍を一望できる。19年は若手デザイナー育成を目的に毎年行われているMIFFのファニチャー・デザイン・コンペティション(FDC)受賞者たちの作品が展示された。
 2017年に最高賞を受賞したビクトリア・パメラさん(http://www.zangtoria.com.my)は、家具メーカーのBSLとコラボしてデザインした子ども向け2段ベッドを展示した。デイベッドやソファとしても使える機能性を持ち、洗練されたデザインでコンパクトにまとめ、生活者のニーズを的確に捉えていた。
 マレーシアのデザイナーを育成するためのプログラム「Professional Design Program(PDP)」に参加している若手デザイナーたちの作品も一堂に展示された。
 このほかMIFF Timber Martには、木材産業の関連団体などが出展した。同国の木材に関する情報をここで集めることができる。

MIFF Office
Millennials@Design

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