視点

「室内見せるネット」も後押し

 日本のインテリアが欧州に遅れをとっている要因の一つとして、暮らしの中で家具を人に見せるホームパーティーなどの機会が少ないことが挙げられる。
 2012年には一般社団法人日本ホームパーティー協会(HPAJ)が発足するなど、日本でもホームパーティー文化の普及を目的とした活動が出てきている。
 一方、ネットの世界では、自宅のインテリアを公開する「家具を見せる」動きが出ていて興味深い。家具や雑貨などインテリアの写真を投稿することができるSNSアプリ「RoomClip」のMAU(月当たりアクティブユーザー数)は300万人、投稿される部屋の写真数は300万枚に上る。運営するルームクリップは昨年、第三者割当増資を実施し、総額8億円を調達した。今後さらなるユーザー数の成長を目指すという。このSNSもECサイトと連動しており、投稿写真で見た家具を購入することができる。
 世界で8億人、国内2000万人のMAUを誇るインスタグラムでも自宅のインテリアを公開した数多くの投稿を見かける。
 座り心地や木の感触を確かめることができる「リアル店舗」には、ネットでは得られない良さがあるといわれる。しかし、実際に家具を使っている人たちの情報が得られるなどネットならではの良さを知って初めて、リアル店舗ならではの戦略が浮かぶこともあるだろう。
 5月はインテリアデザインの活性化を目的とした「ワールドインテリアウィーク」も開催され、ミラノ・サローネなどを視察した各界のインテリアのスペシャリストたちの報告も行われる。暮らしを豊かにするインテリアデザインの役割を考えるこの機会に、ネットの活用や事例報告も盛り込まれるといいだろう。

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