ニュース2018.05.09
家具産地も動き出す
経済産業省が4月に発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、消費者への一般販売(BtoC)などの国内EC市場規模は16年に15兆円を突破。17年は16兆5054億円で、前年比9・1%増と順調に伸びている。
このうち物販分野は8兆6008億円で伸び率は7・5%。物販分野のEC化率(全商取引に対する電子商取引の比率)は5・79%と中国(15%)や米国(7%)と比べると低く、伸びしろはまだ十分にある。目立つのはスマートフォン経由の取引で、前年比17・7%増の3兆90億円。物販全体の35%を占める急成長ぶりだ。
中でも家具・インテリア分野の伸び率は、物販分野トップの9・8%で1兆4817億円。EC化率も20・4%と初めて2割を超えた。伸び率2位は事務用品・文房具の8・2%。市場規模のトップは衣類・服装雑貨分野で1兆6454億円となっている。
ネットならではの家具選び
日本最大級のECモール「楽天市場」を運営する楽天の場合、昨年のECサービス全体の流通総額は3・4兆円で前年比13・6%増と好調に推移している。出店数は4万5000店で2%増。現在は、店舗数よりも質の向上に力を入れている。
インテリア関連の店舗数や売上高は非公開だが、ホームライフ全般を統括するECカンパニー・ホームライフ事業部ヴァイスシニアマネジャーの野口裕輝氏は「想像以上の規模になっている。売り上げも(ECサービス)全体と同じような比率で伸びている」と胸を張る。
家具はかつて、ネット販売には向かないといわれたが「リアル店舗は店頭に並べる種類が限られる。ほかの店舗の商品を見たいと思ってもアパレルショップのようにはいかない」。一方、ネットでは「数百種類のテーブルを見られ、一人一人のユーザーの好みに合った商品を見つけることができる」と、メリットを強調する。
ライフスタイル提案型の特集ページも開設している。「北欧」は楽天市場の人気検索キーワードで、12年から6倍に伸びた。春の新生活シーズンに合わせ、楽天市場の商品を集めた北欧スタイルの特集を行い、イベントも開催した。
同社は16年からこうしたインテリアトレンドの特集ページやイベントを設けている。同事業部の和田亜寿沙氏は「安い家具だけではなく、いろいろなテイストの商品があることをアピールしている」という。
「国産も伸びてほしい」
楽天市場が発表している年間売り上げランキング「ショップオブザイヤー」でもインテリアショップが上位にランクしている。
「タンスのゲン」もその一つ。17年は3位にランクした。同社は1964年に福岡・大川で九州工芸として創業、当初は婚礼家具を製造するメーカーだった。02年からネット販売をスタート。17年度の売り上げは146億円に上り、今年4月に初めてリアル店舗をオープンした。ほかにもインテリア関連3店舗がトップ10にランクインしている。
家具産地の質の高い家具を息長く販売しているショップもある。旭川家具を専門に販売する「MUKU工房」は、06年開設、46社の家具を取り扱っている。同ショップの運営会社・北廊(きたろう)の常務執行役員、河口佑哉氏は「ネットの中でも価格の二極化が進んでいる。高価格帯の商品も動いており、100万円のソファも出ている」という。
楽天の和田氏は「楽天市場には地方を元気づけるというコンセプトがある。国産家具の売り上げももっと伸びてほしいと思っている」と話した。
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