ニュース2025.04.12
マレーシア国際家具見本市(MIFF)の「xOrdinary Showcase(エックスオーディナリー・ショーケース)」に出展した新進デザイナーたちの作品を紹介する。
(xOrdinaryの詳細はこちらから)
Merite Design and Interiors
大胆なタコの絵をキャビネットに
会場でいちばん目を引いたのが、ナビラ・ナシルさんとタコの絵を描いたキャビネット。デザインだけでなく彼女の経歴と個性的なキャラクターに驚かされた。
今回初参加のナビラさんは、家具のリファービッシュ(改修)を始めてまだ6カ月。前職は「赤十字」と国連の外交官で、国外の生活では新しい家具とともに住居が提供されたり、紛争地帯ではキャンプに泊まったりと、自分の家を持っていなかったという。
国外で15年ほど働きマレーシアに戻った。自宅用の家具を探したが、気に入ったものが見つからず、自分でつくろうと思い立った。夫からは、家具職人じゃないのだから、と言われたが「アイデアはあるし、手伝ってくれる人を見つける」と返したと言う。
ナビラさんは、中古の家具を探してリファービッシュ(改修)を始めた。スタイルはマキシマリズムで、中古家具を使う。自宅全体を改装するため、閉業するホテルから中古家具を引き取ったりもした。
今回のタコのキャビネットも近所の女性が使用していたものを、引っ越しをする時に買い取った。その後、何ができるかとアーティストと話を重ね、今回の作品が出来上がった。ナビラさんが仮装パーティーに行くためにタコのコスチュームを探している時にタコの取っ手を見つけてアイデアを思い付き、すぐにアーティストに連絡して一週間で仕上げたという。
「中古の家具は退屈だったり、古くてほこりっぽいものだと多くの人が思っているかもしれない。私は、埋め立て地に捨てなくても、古いものから新しいものをつくることができると示したかった」。今も次々と新しいアイデアが浮かんでいるという。
The Craftsmanty
キャビネットに内と外の哲学
首都クアラルンプールに隣接するスランゴール州プタリンジャヤで家具の製造販売を手掛けるThe Craftsmantyは、籐張りをデザインのアクセントにした「InOut Collection」の化粧台やキャビネットを展示した。
ただ収納のために引き出しを開けるのではく、引き出しの中にある大切な物を見て、心の中にある大切な物にまで気付けるような内と外(InOut)のバランスまで考えて作られている。
デザインしたTeck Yewさんは「InOutとは単なる家具ではなく、内と外との本質が完璧に調和して動く人生の旅路を反映している。それぞれの作品は構造と魂のバランスを体現し、機能性と思索や意図の瞬間を融合させている」と自らの哲学を語った。
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