ニュース2025.04.09
息づく伝統・文化・環境新進デザイナーの競演
今年で4回目を迎えたマレーシア国際家具見本市(MIFF)の「xOrdinary Showcase(エックスオーディナリー・ショーケース)」。家具新聞はこの企画展に出展される新進デザイナーたちの発送豊かなデザインに注目してきた。キュレーターにイタリアのサローネサテリテに出展するなど、デザイナーとして活躍するボー・チャン氏を迎え、今年も才能あふれるデザイナーたちによってマレーシアの文化、伝統と環境を織り交ぜた展示が繰り広げられた。
xOrdinaryは2019年、自由な発想と独立したデザインの力を信じるクリエーティブ・プラットフォームとしてプロジェクトが始まり、21年にMIFFで初めて企画展示が行われた。
マレーシアの伝統文化をモダンデザインに取り込み、グローバルに発信しようと試みる挑戦的な作品が集まる。
今年は昨年の15ブランドからさらに増えて25ブランドのデザイナー、アーティストが参加。家具のほかにもホームアクセサリー、ライフスタイルブランド、アート作品まで展示される。ワークショップ型の会場は、展示品を手に取って触れる来場者で賑わった。
今回は「ゲーム」をテーマにして実際に遊べるコーナーがメイン企画として登場した。コマを回して遊ぶ「ガシン」、ビー玉で数合わせするボードゲームの「チョンカ」などマレーシアの伝統的なゲームについてボー氏は「中国由来のゲームもあるがそれを、マレーシア流にアレンジしたものもある」と紹介した。
「ここでしか見られないようなユニークな製品をたくさん見てもらうように工夫をしている」とボー氏。実際に展示品を購入することもできる。リサイクル素材の雑貨や、オリジナル・ティーシャツ、アップサイクルの家具生地、照明ランプ、スピーカー、ライトなどユニークな作品が展示された。
ゲームの「ガシン」は完売、リサイクルプラスチックを素材としたジッパーバッグも好評だったという。xOrdinaryは、単なる展示だけでなく、販売からデザイナー間の交流とコラボレーションまでサポートしている。
ミニマリズム再考へ
xOrdinaryキュレーター ボー・チャン氏に聞く
xOrdinaryは今年で4回目。これまでデザインに遊び心を取り入れながら、時代のニーズに応えるべく多くの課題に挑戦してきました。
今回は新たに「リファービッシュ(改修)」という枠を設けました。持続可能性への取り組みを支援するには、改修という観点が重要だと考えたからです。
この枠の出展者の一人ナビラ・ナシルさんの作品は、もともとは大手チェーン店で売られていたシェルフでした。彼女はそれにデザイナーを通じてタコを描き加えました。
ナビラさんはミニマリズム(最小限主義)の対極となるマキシマリズム(過剰主義)を推進しています。しかし、私は彼女の作品が「ミニマリズムの要素が加わったマキシマリズム」に見え、そこに美点を感じました。日本の皆さんはどのようにご覧になるでしょうか。
日本は優れたミニマリズムデザインを生み出す国として有名です。私は今後、日本が世界市場でさらなる活躍の場を広げるために、マキシマリズムの中にミニマリズムを見いだしたり、双方を均衡させたりする動きが出てくるのではないかとみています。
改修という点では、廃棄される家具を再利用する環境配慮製品も支援していくべきです。xOrdinaryではすべてのデザイナーとクリーンで持続可能なものづくりを実現する目標を共有しています。
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