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★【家具業界の新しい波③】日進木工がウイスキー樽製造に挑戦 代表取締役社長・北村 卓也氏

試作品の樽を囲む日進木工社長の北村卓也氏(左)と飛騨高山蒸溜所を造った舩坂酒造店社長の有巣弘城氏(右)

 現在、飛騨地域で初のウイスキー蒸留所の開設準備が進められている。廃校となった小学校を活用し、飛騨山脈から流れ込む清流を蓄える高根第二ダム近くでウイスキー蒸留の来春開始を目指す飛騨高山蒸溜所。その稼働に合わせ、ウイスキーの製造に欠かせないウイスキー樽の製品化に向けた取り組みを日進木工が進めている。
 全国的にもウイスキー樽製造を行っている会社は少なく、樽製造を専門で行う企業は全国に数社のみである。基本的にウイスキーは最低3年以上の熟成期間を有し、その間、内容物の漏水があってはならないため、非常に高い技術を必要とする。技術習得に長い年月がかかることから、これまで新規参入はなかった。
 長年、ウイスキー樽の製造ができないか模索してきたが、さまざまな事前調査の結果、弊社の持つ高い技術力によって製造が可能であると今回判断し、新たな分野への挑戦に至った。
 クラフトウイスキーと呼ばれる小規模蒸留所がこれからの数年で全国に数十カ所設立される。ジャパニーズウイスキーのマーケットは今後も十分な成長が見込める。
 事業再構築補助金第5回公募で採択が決まり、2023年春の本格製造に向けて、現在、試作品製造に取り組む最中である。
 家具で培った技術力や、木材の審美眼を新たな分野で生かす「イノベーション」として、ぜひ今後もご注目をいただければうれしい。そして自社で製造した樽で熟成させた飛騨ウイスキーを飲む日がやってくるのが今から待ち遠しい。
  問い合わせ先 0577・34・1122 
  日進木工のウェブサイト

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