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★【家具業界の新しい波④】機能性備えた屋外スツール 構造用合板を利用した最新技術と挑戦

汐留イタリア街にあるコーヒースタンドに置かれているスツール
ベータ・デザイン代表の足立卓実氏(左)と兼松サステック木材・住建事業部の衛藤優子氏(右)

 朝の通勤時や午後の息抜きに、香り豊かな一杯のコーヒーを飲みに立ち寄るコーヒースタンド「Comfort Stand」。東京都港区東新橋の汐留イタリア街にあるこの店の屋外に、今夏からスギのスツールが置かれている。デザインしたのはベータ・デザイン代表でプロダクトデザイナーの足立卓実氏。小さな躯体(くたい)には、さまざまな技術と挑戦、工夫が盛り込まれている。
 足立氏は、住友林業が開発した穿孔(せんこう)加工合板や溝切り加工合板を利用した商品開発コンペに同スツールを出品した。コンペは兼松サステックの主催で行われた。兼松サステック木材・住建事業部の衛藤優子氏が足立氏に声掛けしたことがきっかけだった。
 「これらの合板をどう使えばいいかということで、デザイナーや建築家のアイデアを募集するコンペを企画した」と衛藤氏。合板は兼松サステックの薬剤「ニッサンクリーンAZN」を使って防腐・防蟻(ぼうぎ)処理が施され、住友林業の木材保護塗料「S―100」を使って紫外線による変色や水の浸入を抑えている。AZNは国立競技場の木材にも使われている。
 コンペ後にこれらの合板は「エスリー合板」と名付けられた。
 「『Comfort Stand』は昼になると、お客さんが並ぶ人気店です。そこでちょっと座る所を作ろうと、このスツールを考えた」と足立氏。スツールを入れ子状にコンパクトにまとめて簡単に片付けることができるため「マトリョーシカと呼んでいます」と衛藤氏は笑顔で話す。
 海外では屋外木製家具の開発が進んでいるが、日本はこれから。構造用合板を意匠に生かし、機能性を備えたシンプルな屋外スツールを考案した足立氏。次はテーブルの開発を考えている。

使わない時は複数のスツールを入れ子状にコンパクトにまとめることができる
入れ子状にコンパクトにまとめて簡単に片付けることができる

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