ニュース2022.07.24
カンディハウス(北海道旭川市)は7月21日、馬具、皮革製品を製造するソメスサドル(北海道砂川市)と共同で新ブランド「COSONCO QS(コソンコクス)」を10月に立ち上げると発表した。デザイナーに倉本仁氏、アートディレクターに谷内晴彦氏を迎え、両社の製造過程で生じる端材を積極的に取り入れ、玩具でも置物でもない、日常の傍で豊かさを感じられるアートオブジェを作り上げるとしている。
カンディハウスによると、ブランド名のコソンコクスはアイヌ語で「遠く離れた土地とのコミュニケーション」を意味する。
主な製品は「Rocking horse(木馬)」や、さまざまな鳥のオブジェ「Bird block」、北海道の動物たち「Animal object」、ビルや工場の「Town」など26点。
北海道の大地を流れる石狩川流域で育まれた両社の木材と皮革の加工技術を合わせ、製品製造過程で発生する端材を積極的に使い、それぞれの技巧を重ねて作り出すアートオブジェで、販売開始は10月21日。実店舗や大量の在庫を抱えず、専用のECサイトを中心に世界の市場へ向けて販売するという。
ソメスサドルは1964年創業の馬具・皮革製品メーカーで、上質なハンドメイドの革製品が特徴。競馬用鞍は国内外の多くの騎手に使用されているほか、平成・令和の天皇即位の儀式に際しては馬車具を納入。また鞍づくりの技術力を背景に、バッグをはじめとするレザーグッズやインテリアなど、さまざまなアイテムを製作している。
最高品質の木と革でアートオブジェ
◆デザイナー・倉本仁氏の話 ものづくりのプロセスでどうしても出てしまう端材に、再び命を吹き込むプロジェクトに参画してほしいとの打診を受け、初めて両社の工場を訪れた時、その端材と呼ばれている材料の高い品質に驚いた。
家具や馬具は比較的大きな製品であるため、そこから生まれる端材も大きい。それぞれが最高品質の木と革を使用しているため、私が手にしたそれはもはや端材と呼んでいい物ではないとさえ感じた。
当初、一般的なインテリア小物から始まった製品企画はやがて、少しだけ機能を携えたアートオブジェへとアプローチを変えた。用途や機能を持たない存在ほど、そこに趣向性が生まれ、素材をより価値あるものに変えてくれるのではないかと思ったからだ。
われわれはそれを「Functional Toy」という言葉で呼ぶことにし、与えられた木と革に敬意を払いながら、人々の心や空間をより豊かにするいくつかの作品をつくりあげた。
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