視点2019.02.06
昨年、初めて東京ビッグサイトで開催されたモクコレを取材した際、全国からこれほど木材や木材製品が集まっている展示商談会なら、もっと会場は活気にあふれてもいいのではないか思った。出展者の意気込みが空回りしている感があるのは、今年も変わらない。
全国から集まった豊富な木材と木材製品をどう生かすか。展示商談会全体の構成も含めて、よりパワーアップを目指す時期に来ているようだ。
東京都でも展示構成を模索している。家具から建材、小物までを各都道府県単位で展示するよりも、来場者にとっては各カテゴリーでくくった方が分かりやすい。今の展示形態では「お国自慢」の自己満足で終わる可能性がある。どうビジネスにつなげていくかを最優先させることだ。
一方、各出展者のターゲットは、市区町村、建築家や設計者、デベロッパー、工務店など幅広い。「海外来場者も増やしてほしい」という声もあった。国際都市・東京ならではの商談機会の創出を目指してほしい。
ビッグサイトで開催される民間の展示会の出展料は1小間30万円以上するが、モクコレの出展料は、都の支援によって1小間2万円に抑えられている。地方の中小企業にとって出展のハードルは低い。
なぜ、そこまでして東京都は力を入れるのか。
東京都産業労働局農林水産部森林課によると「都市部で木材を使うことが、全国の森林整備につながり、都市と地域全体の発展につながる」ことを第一に考えているという。東京五輪・パラリンピックを来年に控えた東京の木材利用におけるリーダーシップに期待したい。