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マレーシア国際家具見本市特集 その2 わずか2ホールからスタート 政府の支援で躍進 マレーシア家具の成長とともに

MIFFを視察するラフィダ・アジズ元通産相(1999年)
MIFFの沿革

 1990年代にマレーシアの家具産業の成長が始まり、25年間に家具の輸出額で世界のトップ10に入るまでに至っている。MIFFは1995年から始まり、家具産業の成長とともに規模を拡大していった。MIFFの創業者であり、チェアマンであるダトゥ・タン・チン・ハット氏は「プライベートの時間をとれないほどハードワークの日々だった」と振り返る。

 ダトゥ・タン氏は、1985年にマレーシアの国際貿易・産業省が、マレーシアの家具産業を育成するために最初の産業マスタープランを打ち出した時、その成長を確信した。熱帯の豊富な木材を持ちながら、当時のマレーシアは、木材や半完成品の木材製品を輸出しているだけだった。家具を輸出しているメーカーは、ほんの一握りに限られ、欧州や米国に産業が支配されていた。ダトゥ・タン氏はマスタープランを、木材利用を促していく好機ととらえた。
 ダトゥ・タン氏は「自分たちの家具産業がなぜこの国にはないのか」と問い掛け、MIFFを創業して、家具産業の成長の種をまいた。最初のMIFFは、ほんの一握りの家具の企業家とともに、プトラ・ワールド・トレードセンター(PWTC)でこじんまりと開催された。

 「最初の数年は、地域のバイヤーが訪れ、1、2社の注文しかとれなかった」とダトゥ・タン氏は振り返る。その時、MIFFは政府の関心を引き付けることに成功した。当時の通産相、ラフィダ・アジズ氏は、2000人を超える来場者が訪れていたMIFFの経済効果とマレーシア貿易に貢献できる可能性を見いだした。
 ダトゥ・タン氏は出展社が税金に苦しんでいることを訴え、アジズ氏はMIFFの出展社への税金控除と、それまで海外出展経験者に限られていた出展奨励金の枠を広げて支援することになった。さらに、ASEAN域内の関税の引き下げがMIFFの来場者の増加につながった。

 2002年にMIFFは、マレーシアの強力なライバルである中国からの出展社を招いた。「競争は、プロダクトのデザインや製造、創造性において、さらに成長させる機会を生み出す」とダトゥ・タン氏は語る。
 04年に政府が輸入関税を撤廃すると、100を超える国からの来場者が訪れるようになった。南アメリカやロシアからの来場者の姿もあった。
 10年には、マレーシアの若手デザイナーの育成を目的に「ファニチャー・デザイン・コンペティション(FDC)」をスタートさせた。
 ムアー家具協会(MFA)の拠点となるジョホール州は家具輸出額60兆㌦、マレーシアの輸出の約70%を占めている。13年、MIFFと戦略的提携を結んだMFAに加盟するメーカーが出展するようになった。
 PWTCの出展スペースは、最初は2、3ホールで出店面積はわずか8000平方㍍だった。いまや、PWTCとMITEC合わせて10万平方㍍の広大な展示会場を持つ、東南アジア最大級の見本市に成長を遂げた。

さらに強固な基盤を構築 MIFFチェアマン ダトゥ・ドクター・タン・チン・ハット氏

 2019年、MIFFは初開催から四半世紀を迎えます。記念すべき節目の年を、過去25年間の私たちの歩みを振り返る機会にするとともに、さらに強固なグローバル・ソーシング(世界調達)基盤となり、確かな影響力を持つMIFFの実現を考える機会にしたいと考えています。
 私たちは確かに、顧客の需要と期待の恩恵を受けてきました。製品の卓越性とサービスの品質において、MIFFが日本のマーケットの高い期待に応えることは困難でありながらも、やりがいのあることです。
 MIFFは、来場する日本の企業を大切にして長年にわたるビジネスを育んできました。私は個人的にも多くの友人をつくり、アジアの家具産業をさらに発展させるための率直な議論とアイデアの交換を続けています。
 私は、2019年の企画が全ての出展者と来場者に、心温まる有意義な体験を与えると信じています。皆さま方一人一人を心よりお迎えします。ArigatouGozaimasu

輸出の7割、ムアーに脚光 MIFFゼネラルマネジャー  カレン・ゴイ氏

 私たちは、無事にMIFF
25周年を祝えることを大変うれしく思います。長年にわたり、世界中の企業、特に日本の企業と提携してきたことは、とても光栄なことです。
 MIFFは、サプライヤーと来場者の規模・数において、東南アジアの中で最も大きな産業展として存在し続けています。変化する消費者のトレンドに対応するため、よりデザインを重視した発想を持ち、ますます多様化して成長を続けます。
 MIFFは、(家具産地の)ムアーが政府から「マレーシアのファニチャー・シティー」と宣言されて脚光を浴びたことをうれしく思います。ムアーはあらゆるタイプの家具を生産し、マレーシアの輸出の70%を占めています。ムアーの最高の製品を手に入れ、マレーシア最大の生産者たちとネットワークを構築するためには、MIFFを訪れる必要があります。
 650社がたくさんの新製品を展示します。日本の友人たちが、自分が探しているものや、それ以上のものを見つけることを願っています。
 MIFF2019で価値ある楽しい時間を過ごしてください!

MIFFチェアマン ダトゥ・ドクター・タン・チン・ハット氏
MIFFゼネラルマネジャー  カレン・ゴイ氏

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