視点2018.06.20
ホームユースの家具の中で、学習家具ほど市場の分析や機能性についての研究、アイデアと発想が詰まったものはあるだろうか。
イトーキのデスクから始まった学習家具。新入学商戦の時代を経て、各社は今、多様なニーズにどう応えるかという課題に取り組んでいる。
ランドセルラックのヒットやダイニング・リビング学習家具の開発も一段落した。2019年型学習家具を見ていると、開発トレンドの踊り場にあるような感があった。
各社の学習家具には、組み替えデスクの機能性、子どもから大人まで対応できる拡張性、インテリアとしてのデザイン性、IT機器に対応する優れた発想や細やかな技術が詰まっている。高度な技術を培ってきた日本ならではの「文化」といっても過言ではなく、売り方次第で海外展開の可能性もあるだろう。木製の学習家具は、幼い時から木に親しむきっかけとなる。
合同展示会は、学習家具市場消滅への危機感に端を発した。その陰には単独開催でも十分な集客力を持っているコイズミファニテックの決断がある。ライフスタイルの変遷とともに敏感に変化に対応し、生き残ってきた学習家具の灯を絶やすことなく、これからも各社の個性を打ち出していってほしい。そのためにも、合同展示会が引き続き来年も開催されることを望む。
これまで培った各社のデータを生かした子どもの学習に関するセミナーや講演会、体験会、あるいは他のイベントとのコラボレーションなど、ディーラーだけでなく一般消費者に訴え掛けることができる可能性を、この展示会は秘めている。