ニュース2026.07.30
私の住むシアトルは、ワールドカップ開催中で、毎日サッカーで盛り上がっています。街の広場、市役所、シアトル湾のピア(桟橋)、ホテル、教会など、さまざまな場所で、無料ビューイングパーティーが催され、市民とワールドカップ目当ての旅行客が、ゲーム観戦を楽しんでいます。
今大会は、米国、カナダ、メキシコの3カ国共催で、数百万人規模の集客が予想されており、スポーツ界のみならず、観光、宿泊、商業施設、交通インフラなど幅広い産業に影響を与えています。
アメリカは、電車の交通網が発達している都市が少なく、シアトルは、2003年に初の電車が短い区間で開通し、やっと先月、日本人の多く住むベルビュー、レドモンドに路線拡大されました。
これで、やっと郊外住宅地からワールドカップの会場やマリナーズの球場まで電車で行けるようになりました。
また、大会の前に、市内ホテルや公共空間の刷新も進みました。Kimpton Hotel Monaco Seattleでは、189室の客室に加え、ロビーやレストランを含む大規模改装が完了し、旧Pan Pacific Seattl
eをリブランドした1 Hotel Seattleも153室の客室を備えたラグジュアリーホテルとして生まれ変わりました。歴史あるMarQueen Hotelでも客室や共用部の改装が実施され、ワールドカップ需要に応えるべく準備を進めてきました。
本会場Lumen Fieldも、人工芝を天然芝に変更し、空調管理や育成ライトなどの大規模投資で、 NFLスタジアムとしては異例の大規模ピッチ転換を行いました。
「観戦体験の質」を重視し、観客席用の椅子をはじめ、VIP・ラウンジ機能が強化され、スイートルームは、高級飲食・滞在型空間への再設計と、家具、内装、照明の更新が行われました。昨今の流れで、観戦環境やホスピタリティ機能の向上はもとより、環境に配慮した建築が求められました。
近年のホスピタリティ市場は、「滞在する場所」から「体験を提供する空間」への転換が進み、ホテルロビーは単なるチェックインスペースではなく、交流や滞在を促すラウンジ空間として再設計され、レストランやバー、テラス、イベントスペースにおいても、快適性とデザイン性を兼ね備えた家具への需要が高まっています。ワールドカップは短期イベントではありますが、長期的なシアトルの空間価値向上に貢献することと思います。
ともこ・ぼあまん 米Uttermost社とCaracole社の日本セールスレップを兼任。札幌出身。シアトル在住30+α年。米国のトレンドは二人の大学生の娘たちから仕入れている。アメリカ人夫と共に、Killer Whale(シャチ)をシアトルの海岸から探すのが最近のお楽しみ。
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