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★日本の家具をひとつの力に JAPAN FURNITURE始動

右から岡田贊三氏、藤田哲也氏、齋藤精一氏、倉本仁氏、村田一樹氏

日本家具産業振興会
IFFTの精神を継承

 日本の家具をひとつの力に―。日本家具産業振興会は4月24日、東京国際家具見本市(IFFT)の精神を継承し、日本の家具の価値を国内外に発信する「JAPAN FURNITURE(ジャパンファニチャー)」を始動すると発表した。6月から7月に全国各地で開催されるオープンファクトリーと10月に行われる分散型エキシビションの2期にわたるイベント、これらをまとめるインターネットのブランドサイトでプロジェクトが構成されている。

 プロジェクトの実施にあたって、グッドデザイン賞審査委員長で、大阪・関西万博EXPO共創プログラムディレクターを務めるクリエーティブ・ディレクターの齋藤精一氏(パノラマティクス主宰)、グッドデザイン賞審査副委員長を務めるプロダクトデザイナーの倉本仁氏(JIN KURAMOTO STUDIO代表取締役)をアドバイザーとして迎えた。
 北海道東川町を拠点に活動し、旭川家具工業協同組合のブランド・エクスペリエンスディレクターを務める村田一樹氏(Back&Forth代表取締役)がクリエーティブ・ディレクターとしてまとめ役を務める。
 カンディハウス東京ショップ(東京都港区)で24日に行われたプレス発表会で村田氏は「350社以上が加盟する日本家具産業振興会のさまざまな家具ブランドが一つになるための大義がジャパンファニチャー。そのスローガンとして『日本の家具を、ひとつの力に。』を掲げた」と説明した。
 6月25日から7月25日まで開催される「JAPAN FURNITURE MONTH」は、家具づくりの現場を旅する31日間として全国の家具メーカーの工場・ショールームが舞台となる。
 中でも注目されるのは製造現場を開放する「オープンファクトリー」。Meet up Furniture Asahikawa(北海道旭川市、6月25日~29日)、飛騨の家具フェスティバル(岐阜県高山市、7月2日~6日)、大川夏の彩展(福岡県大川市、7月9~10日)といった家具産地展などで実際に工場の製造現場を見学する貴重な機会となる。
 10月31日から11月9日に開催される「JAPAN FURNITURE SHOW by IFFT」は、IFFTの精神を引き継ぎ「合同から分散へ」という新たな展示会の形を掲げ、東京都内の各社ショップ、ショールーム、ギャラリーと都内に設けられたイベント会場(場所は検討中)で実施される。
 秋に東京で開催されているデザイナートトーキョー、エル・デコ デザインウォークなどのデザインイベントが今年から、可能な限り会期を合わせて開催することで海外からの来場を強化しようという動きが出ていることも背景となっており、これらとの相乗効果も見込んでいる。
 ジャパンファニチャーのブランドサイトは、これらの展示会やイベント、各社のブランドを国内外に発信するプラットフォームとして位置付けられ、すでに公開されている。Google My Mapsを活用してオープンファクトリーやイベントをマッピングすることも考えている。
 プロジェクトへの参加は、日本家具産業振興会の非会員も含めた有料の登録制として検討が進められており、6月にも詳細が発表される。

合同から分散型開催へ
世界へブランド発信

 日本家具産業振興会の岡田贊三会長(飛驒産業代表取締役会長)は24日のプレス発表会で「日本家具産業振興会が大きく変化する日」とあいさつを切り出した。その歴史の中で、最大のイベントとして開催されてきたIFFTについて「時代の流れの中で役に立っているのかどうか、という議論を重ねた。これから世界に羽ばたく瞬間を、皆さんと協力して歩みたい」と新プロジェクトの立ち上げを宣言した。
 IFFT委員会の藤田哲也委員長(カンディハウス代表取締役会長)はジャパンファニチャーを世界に向けてブランドとして発信する強い思いを語った。
 岡田会長からの指名を受けた藤田委員長は「コロナ禍の後、世界のメッセも大きく変わっている。1カ所に集中して人を呼ぶのは非常に難しい状況の中で、大きく変える責任を負ったわけで、自分一人では無理」と話し、日本の家具を世界に向けてPRするため、業界トップクラスのクリエーターの招へいを条件に引き受けたという。
 IFFT委員会には、岡田会長と布川徹(冨士ファニチア代表取締役会長)、森田耕司(コクヨ執行役員)の両副会長が加わり、12人のメンバーで議論が進められた。
 シンプルでわかりやすいタイトルがいいという意見もあってブランド名はジャパンファニチャーでまとまった。IFFTの名前を残すことについては「かなり議論はあった。45年にわたって世界で使われていた名前なので、それを引き継いで新たな事業にすることが大事だということで、今年は『by IFFT』として残したが、来年以降はどうなるかまた判断したい」と話した。

※ジャパンファニチャーのサイト  https://japanfurniture.jp/

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