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★【MIFF マレーシア国際家具見本市】主催者インタビュー

タン・チン・ハット氏(右)とケリー・リム氏(左)

 本格開催に至った心境と日本への期待について、MIFF創設者であり、チェアマンのダトゥ・ドクター・タン・チン・ハット氏と、MIFF開催をゼネラルマネジャーとして初めて取り仕切ったインフォーママーケッツのケリー・リム氏に聞いた。
「さらに世界へ」MIFFがサポート
ダトゥ・ドクター・タン・チン・ハット氏

 ―コロナ禍をどのようなお気持ちで過ごされていましたか。
 オフィスに集まって仕事をすることが難しく、これからどうなるのか、みんな不安な気持ちを抱きながら過ごしていました。今回本格開催できて、新たな出会いもあり、とてもうれしく思っています。
 2020、21年とオンラインで見本市を開いたのは、皆さんがMIFFを忘れないように、必ず帰ってきてもらえるように、という思いでやっていました。
 22年に再び国境が開かれるという知らせを受け、すぐに7月にMIFFを開催することを決めました。まだコロナを恐れる人もいたし、出展をためらう企業もありました。それでも開催を決行したところ、84カ国からバイヤーが訪れ、非常に大きな反響があり、出展しなかった企業は、非常に残念がっていました。昨年の開催があってこそ、今年多くの出展と来場者が集まったのです。
 ―リアルでコミュニケーションを取る大切さが分かりますね。
 今回の開催は歴代でも最も大きな規模になりました。2018年から、それまでのメイン会場を新たに完成したMITECに移し、今回は出展ブースが満杯になったことをとてもうれしく思います。ゼネラルマネジャーに就任したケリーはじめ、若い人たちがMIFFの再開をけん引してくれたのです。日本もだいぶ状況が良くなっているようですね。
 ―これからマスク着用が少なくなり、マレーシアとの行き来も増えてくると思います。日本にどんなことを期待しますか。
 日本の家具は今、輸出の時期にあると思います。メーカーさんには、輸出先に合わせて家具のサイズを変え、積極的に輸出すればなお良いのではと提案しているのですが、まだまだ動きが鈍いです。
 慎重にやっているのでしょうが、国外に出ていろいろな人と交わらなければ、市場のニーズは分からないと思います。日本の家具業界は海外に出て、活発に交流を図ってほしいと思っています。
 中国では日本の家具の技術を取り入れ、改善しながらいいものを作るようになっています。最大規模の市場ですが、今は中国から去っていく人も多くいます。
 ―本紙は日本の木材輸出にも協力したいと思っていますが、MIFFもサポートしてくれますか。
 木材産業が成長するには家具に加工することが一番です。例えば1枚100㌦の木材が、家具にすると700㌦の付加価値が付くわけです。マレーシアをはじめ東南アジアの国々は、木材の輸出を減らそうとしています。日本政府も単に木材を輸出するのではなく、そこに価値を付けて提案するべきだと思います。それによって林業をはじめ、国内の木材産業の雇用が生まれてくるからです。

オンラインの知見を生かして
ゼネラル・マネジャー ケリー・リム氏

 ―2019年から2年半、コロナ禍でリアル開催できず大変だったと思います。
 オンライン見本市「MIFFファニバース」を開催して、ビデオ通話やメッセージのやりとりによるビジネスの場を設けました。8カ国から111を超える出展者、125カ国から1900のバイヤーをけん引して大成功を収めました。
 ―今回、日本人はじめ多くのバイヤーが訪れました。
 日本はマレーシア家具の購入ではトップクラスです。今後は日本からの出展ももっと増えていけばいいと思っています。
 ―これからのMIFFの目指す形とは。
 いろいろな業種の方々が、この見本市を訪れます。まず出展者やバイヤーが何を求めているかを理解するのが一番重要かと思います。例えば出展者は、製品をどうプロモートするかを考えます。バイヤーであれば、どのような製品を求めているのか、どこに輸出したいか。この3年間、オンライン見本市でデータを得ながら、その知見が広がりました。それぞれのニーズや目的をしっかりと理解して見本市を開催するのが最も大切なことなのです。
 次回のMIFF開催は、24年3月1日から4日までとすでに決まっています。期日が決まるとプロモーションを早められ、バイヤーも参加の意思決定がしやすくなるでしょう。

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