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★【MIFF マレーシア国際家具見本市】「ジャパンパビリオン」で存在感

パナソニックハウジングソリューションズのプロジェクトリーダーの大野達司氏(中央)とチームリーダーの朝田鉄平氏(左)と塩田弘樹氏(右)
フランスベッドの池田一実副社長(中央)と全国営業代表がMIFFを視察

アブラヤシの廃材などSDGsを全面に
 MITECにアジア家具フォーラムの会員企業による「ジャパンパビリオン」が初登場、パナソニックハウジングソリューションズのアブラヤシ再生ボード技術「パームループ」を使いながら、フランスベッド、向陽技研、チヨダコーポレーション、大地コーポレーション、イケショウが出展した。

アブラヤシ再生ボード製品をコラボ展示したパナソニックハウジングソリューションズ
 今回のMIFFの主要テーマの一つでもあるサステナビリティーに応える形でパナソニックハウジングソリューションズは、マレーシア、インドネシアで主に産出されるアブラヤシの廃材を世界で初めて活用した再生ボード技術「PALM LOOP(パームループ)」を普及させるためのパネルを展示。熱帯雨林を守り、持続可能な地球環境の保全に貢献しながら、どのようなビジネスモデルを展開していくかをプレゼンテーションした。
 環境問題に関心のある家具メーカーやバイヤーだけでなく、マレーシアの産業省や環境省、大使館の関係者、大学などの研究機関からのコンタクトも多く、各方面からの関心の高さがうかがえた。
 同社は、日本とマレーシアの国家レベルでのSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)にも参加。「さらに国際的な普及促進のため、今後は持続可能な森林活用・保全を目的とするFSC(森林管理協議会)認証やPEFC森林認証プログラムなどとも連携していけるような働き掛けをしている」(プロジェクトリーダー大野達司氏)という。

環境配慮のマットレス フランスベッドは高付加価値商品提供
 フランスベッドは、指圧マッサージ健康器具、電動式ベッドに加え、環境配慮型マットレス解体システム「MORELIY(モアリー)」を搭載したスプリングマットレスを展示した。このマットレスは、内部のスプリングと他の部材を独立構造にすることで、分解しやすく、一人でも容易に解体して処分できる。
 「10年前と比べて日本製品だから価格が高いというイメージはないと思う。ただ、環境配慮型商品に関しての反応は、国によってもさまざま。当社としては、高付加価値のある商品やサービスの提供に加え、環境や社会問題に配慮した企業活動を一層推進したい」(海外営業部エリアマネジャー高橋賢臣氏)。

大地コーポレーション、地球にやさしい素材に初出展で大きな反響
 「初めての海外進出だが大きな反響があった」というのは「ASLEEP」を展示した大地コーポレーション。ベッドの内部にスプリングではなく、生ごみとして捨てることのできる特殊樹脂「Fine RevoR(ファインレポ)」を組み入れ、体のさまざまな動きに順応する心地よさと「地球環境にやさしい」をセールストークにして好評を博した。
 この内部構造に興味を示す欧米やオーストラリアのバイヤーが多かったのは「新素材を実際に見て、触って、体感できるリアルな展示会だからこそ。詳しく知りたいと資料請求の引き合いも非常に多かった」(営業本部部長の西田靖氏)。

日本のテクノロジー手に取ってほしい 向陽技研
 2019年に初出展した家具用金具製造の向陽技研は、MIFFに出展している取引先も多い。実際に会い、コミュニケーションを取ることで「わが社にしかできないジャパンテクノロジーを手にとって納得してもらえる。これからは、中国、ヨーロッパだけではなく、マレーシア、ベトナムなど東南アジアへの輸出にも力を入れていきたい。世界中からバイヤーの集まるMIFFに出展することでビジネスチャンスも増えると実感している」(代表取締役社長の山下雅伸氏)。

「パームループ」使用製品を初日に来場者が購入 チヨダコーポレーション
 MIFF展示会初日に、展示品のベッドが売れたというのが広島県県北部の自社工場でベッド・マットレスの開発を行っているチヨダコーポレーション。
 日本では大手カタログ通販や自社運営のインターネット、小売店に販売しているが、偶然MIFFに来ていたマレーシア人がパームループをフレームに使ったベッドを気に入ったという。
 同社代表取締役社長の山中雅俊氏は「環境意識の高いものを買いたいというエシカル層は増えているというデータはあるが、実際にはどの程度訴求できるのかと思っていた」と予想を上回る反響に驚いていた。

大地コーポレーション営業本部部長の西田靖氏
向陽技研社長の山下雅伸氏
チヨダコーポレーション代表取締役社長の山中雅俊氏(左)とアジア家具フォーラムの喜多村圭氏(右)

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