ニュース2023.01.30
全国各地の地域材を活用した木材製品の展示商談会「WOODコレクション(モクコレ)2023」が、いよいよ1月31日と2月1日の両日、東京ビッグサイトで開催される。これに先立って公開されているオンライン展からの製品紹介、最終回は林業の村で地域材の活用や木工業の活性化のためにユニークな活動を続けている上野村木工の取り組みをご紹介したい。(オンライン展は2月17日まで)
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群馬県多野郡上野村の「上野村木工」は4つの工房が地域材の活用や木工業の活性化のために活動しているグループ。森林の有効活用・再生に取り組むとともにオリジナル家具や雑貨、食器、おもちゃなどを製造販売している。
上野村は群馬県の西南端に位置し、人口は1200人弱。65歳以上が46%を占めるという。総面積の95%以上が森林で林業・木工業が主要産業になっている。
貴重な財産である森林を生かし、産業として育てるため、木工芸作家や組合組織がチームを組んで「上野村木工業活性化プロジェクト」を進めている。
森林から伐採された木は樹種ごとに分けられ、ヒノキやカラマツは原木市場で競りに、スギは村の製材工場で建築用材に加工。残った材はチップに加工し製紙工場に販売。広葉樹や曲がりのある材は食器やおもちゃ、家具、雑貨などの木工品として利用されている。
それ以外の端材は村営の木質ペレット工場で加工され、村内のバイオマス発電所や一般家庭の暖房用燃料として利用するなど、木を無駄なく利用するとともに、伐採した跡地に苗木を植え、自然のサイクルにつなぐ持続的なシステムを実践している。
こうした取り組みから誕生したチームブランドが上野村木工で、上野村森林組合と木工工房3社が参加している。
メンバーのうち家具を製造しているのは匠平工房。代表の宮島靖夫氏は、東京で建具製作を学んだ後、上野村に移住して家具工房を設立した。同工房ではダイニングテーブルや椅子などを製作。和室が少なくなりつつある中で、和の良さを前面に出した作品作りを目指す。最近では県内の日本酒メーカーとのコラボで漆塗りの酒器なども手がけているという。
また上野村森林組合は、素材生産から木製品の販売まで一貫して行っており、木製品では木地色カップ、動物パズル、レーザー加工名札など食器や玩具、ノベルティ、記念品などを製作している。
◇展示ブースは上野村木工(小間番号「群馬―01」)。
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