ニュース

★MIFF再始動 あふれる熱気 マレーシア国際家具見本市3年ぶりリアル開催

コロナ対策をして開催されたMIFFのオープニングセレモニー
ダトゥ・ドクター・タン・チン・ハット氏

 東南アジア最大級の家具見本市、マレーシア国際家具見本市(MIFF、インフォーママーケット主催)が7月6日から9日までの4日間、マレーシアの首都クアラルンプールで開催された。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、2019年3月以来、3年ぶりのリアル開催となった。11カ国・地域から200社・団体が出展、140カ国・地域から6000人を超えるバイヤーが来場した。会場となった世界貿易センタークアラルンプール(WTCKL)とマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)では、熱心な商談が行われた。日本企業の出展はなかった。

 6日のオープニングセレモニーで、MIFF創設者でチェアマンのダトゥ・ドクター・タン・チン・ハット氏は「新型コロナの世界的流行でサプライチェーンが混乱し、多くのバイヤーが影響を受けた。MIFFの開催はマレーシア経済を後押しする。今はまだ大変な時期だが、ピンチはチャンスでもある。今回規模は小さくなったが、真剣な商談が期待できる」と開催の決意を語った。また、来年の開催は「例年通り3月1日から4日まで開催する」と話した。
規模縮小でも熱い
バイヤー視線

 今回の出展国・地域はマレーシアの他、中国、インド、インドネシア、イタリア、韓国、台湾、タイ、シンガポール、ベトナムなどで、前回に比べ、出展数も含めて開催規模は小さくなった。過去2年間、リアル展示会はなく、オンラインで開催してきた。
 来賓であいさつしたマレーシア貿易開発公社(MATRADE)のアブ・バカル・ユソフ最高経営責任者(CEO)代理は「MIFFは昨年、オンライン開催でも3700件以上の商談につながり455万㌦の売り上げがあった」と期待を込めた。「マレーシアで生産される家具の85%が約160カ国に輸出されている。そのほとんどが木製家具だ。今年1月から5月までの家具輸出額が前年同期比3・2%増の61億4000万リンギ(約1880億円)になった」と話した。
 輸出先上位は米国、シンガポール、日本、オーストラリア、イギリス。「マレーシアは家具輸出国として世界10位の競争力のある国。コロナの影響を受けても大きな変化はない。新しい輸出先として北欧、中欧、南米、南アジアなどが有望。今後世界の家具市場は拡大するという予測があり、機能性に加えて健康や環境面を重視する需要に合わせた新製品の開発が必要だ」とマレーシア家具の現状について語った。
日本企業の出展
ゼロでも商談活発

 MIFFには例年、日本企業の出展があるが、今回はなかった。新型コロナの感染拡大が収まらず、各社は出展を見送った。マレーシア政府は4月1日から入国制限を解き、5月から入国時や滞在時の規制を緩和した。この状況の中で出展することは現実的に厳しかっただろう。
 前回2019年に初出展した、家具用金具製造の向陽技研(大阪府堺市)は今回は、視察で訪問した。営業部シニアマネジャーの濱田健典氏は「出展の知らせが開催間際だったので準備ができなかった。会場を回った感じだとまだ完全に戻り切っていないと思ったが、コロナの世界的流行後の1回目としていいスタート。今回いくつか商談もできた」と話した。マレーシア市場への期待に加え「MIFFの場から世界の市場へつながるとよい」とし、次回は出展する方向という。
熱意がすごい!!
日本から新規バイヤーも
MIFFチェアマン ダトゥ・ドクター・タン・チン・ハット氏

 今回の開催は大変でした。準備は進めていましたが、4月にマレーシア政府が入国制限を解いて、5月に規制緩和が発表されました。時間がないが、とにかくやろうと決めてオンラインで出展社の登録を進めました。でも、反応はあまり良くなかった。逆にバイヤーの反応がすごくて、100カ国から5000人を超える方々の来場登録がありました。
 このような状況下ですから、出展者も、来るバイヤーも真剣です。会場を回ると商談が活発で「もう今年の受注が全部できた」という声も聞けました。日本企業からの出展はなかったのですが、新規のバイヤーがたくさん来場しています。
 家具は生活の必須品です。そこから始まって今は、人々が快適に日々を過ごせる日常用品に変わりつつあります。日常用品の一部ですが、重要度が高くなっています。また、環境に配慮した家具作りも求められています。

ニュースの最新記事