ニュース2022.08.03
森林・林業・木材7団体は6月1日、国産材の安定供給体制の構築に向けた「共同行動宣言」を発表した。
昨年10月に「都市(まち)の木造化推進法」が施行され、農林水産相をはじめ6人の大臣が参加した木材利用促進本部が発足する一方で、ロシアのウクライナ侵攻による木材不足や価格高騰への政府の対応が求められている。
2023年度予算の概算要求に向けて各省庁が動き始めている中、日本林業協会の島田泰助会長は「実質的に次の予算に林業・木材関連の動きが反映される。日本の森林資源がこれだけ育ってきている。使えるものがこれだけあるのに、なぜ使わないのか。もっと木を使って、不透明な貿易環境にも対応していくべきだという声も高まっている」と、林業・木材を取り巻く環境について話した。
「木材の安定供給体制を構築していくためには、関連業界の力を合わせて、これまで解決できなかった部分にもチャレンジしていかなければならない」として共同宣言の発表に至ったという。
昨年、英グラスゴーでCOP26が開催され、30年までに森林破壊につながる伐採を中止することが採択された。日本は伐期を迎えた森林資源の活用が叫ばれる一方で、皆伐された人工林の再造林が進んでいない。島田会長はこの問題に対して「立木価格の状況に踏み込んで対応しなければいけない。需要者の皆さんたちに、環境に貢献して、持続可能性が担保された木材を使っていくメリットを訴え掛け、ウィンウィンの中で価格に反映していく仕組みを考える必要がある」と訴えた。
さらに、ウッドショックで木材価格が高騰する一方で、山元の立木価格に反映されなかった問題について「なかなか議論にならなかった部分だが、われわれはそこに目を向けよう」と、日本の森林が健全な形で整備され、次の世代へ活力ある森林をつなげていく取り組みを宣言に盛り込んでいる。
※共同行動宣言全文はこちらから
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