ニュース2022.07.19
スイスの家具メーカー・ヴィトラは、建築家の篠原一男氏(1925―2006)が1961年に東京都練馬区に建築した住宅「から傘の家」をドイツ、ヴァイル・アム・ラインのヴィトラキャンパスに移築、このほど一般公開を開始したと発表した。
から傘の家は名前の通り、傘のような特徴的な屋根のある正方形平面の木造平屋建て住宅で、篠原一男氏の建築スタイルが確立された初期の名作とされる。
同社によると、この住宅が東京都の計画道路用地にかかることと、前居住者の希望により住宅遺産トラストを介してヴィトラが継承することになり、2020年夏に解体され、部材ごとに分割されて海を渡りヴァイル・アム・ラインに移送された。解体から移送、移築、修復、再建まで、篠原一男氏のアーカイブを管理する東京工業大学のサポートのもと、21年9月に始まった再建工事は22年6月に完成した。
から傘の家は約55平方㍍の床面積にキッチンとダイニング、リビングルーム、浴室・トイレ、寝室として使われた和室が設けられている。
傘状の扇垂木の天井は空間をより大きく見せ、和室と屋根の間の空間はロフトのような収納スペースになっている。また、和室の5枚の襖(ふすま)には舞台芸術家・朝倉摂氏による襖絵が和の文化を引き立てている。
置かれている家具は、篠原一男氏と家具デザイナー・白石勝彦氏の共同の取り組みによるもので、ヴィトラキャンパスでは、オリジナルの家具と復刻した家具の双方を組み合わせて再現している。
同キャンパスにはヴィトラ本社のほか世界の建築物が並ぶエリアがあり、日本人建築家による作品は、安藤忠雄氏とSANAA(妹島和世氏・西沢立衛氏の建築家ユニット)に次いで3件目。同社では今秋にも、お披露目イベントを企画しているという。
◇から傘の家の詳細は住宅遺産トラスト。
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