ニュース2022.07.16
新国立競技場で初めてとなるサッカー日本代表戦(キリンチャレンジカップ2022)が去る6月6日に開催されたが、このグランドに異色のサッカーベンチが登場した。ベンチには木製フレームが使用され、木の美しさと力強さ、木材が多用されている同競技場の景観と熱気に呼応するデザインが特徴。
このベンチをデザインしたのはデザイン事務所「コノハズク」(神奈川県鎌倉市)のプロダクトデザイナー、飯田侑希氏。同氏によると、選手や監督が座るためグランドに設置されるサッカーベンチを、戦いに臨む侍たちの陣幕をイメージしてデザインしたという。
「新たな国立競技場は、日本の文化や思想を伝える舞台として生まれた場所。サッカーベンチはテレビに映っても特に意識されるものではないが、見た時に一瞬でハッとさせられるような日本らしさや技の美しさを感じさせたいと思った」と飯田氏は語る。
外観だけでなく、選手、観客、管理者の3者の視点に立った合理的なデザインも特徴で、コの字型の両サイドをオープンにしたフレームは、座った状態で選手がピッチの端から端までを見渡せる設計。また厚さを抑えた木製フレームにより、後方の観客からベンチにいる選手や監督の様子が見やすくなっている。
主材には特殊加工を施した天然木材を採用し、屋外での耐久性を実現するとともにメンテナンスの手間とコストを軽減している。
同社は、2015年に誕生した鎌倉を拠点とするプロダクトデザイン事務所。シンプルな中に温もりを感じさせるデザインでグッドデザイン賞をはじめ国内外で評価を受けている。
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