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★神戸洋家具とKIITOの歴史 黎明期の職人の技伝える冊子発刊

 神戸市が進めるデザイン都市・神戸の拠点施設、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO、神戸市中央区)はこのほど、冊子「神戸洋家具とKIITOの歴史」を発刊した。昨年8月に開催されたセミナー「生糸検査所時代の家具から紐解く、神戸家具の歴史と文化」の内容に編集者の西川栄明氏が追加取材を加えA4判20ページにまとめたもの。
 内容は、横浜洋家具などとともに日本の洋家具製作の先駆けとなった神戸洋家具の歴史と、KIITOに現存する昭和初期の家具の修復から判明したことがらについてのレポートが中心。
 KIITOは戦前に建てられた生糸検査所を改修した建物を拠点としており、昭和初期の生糸検査場に納入された家具が現存し、冊子の前半では、それらを修復した家具の特徴がまとめられている。
 掲載されている家具は、キャビネット、ガラス扉付きキャビネット、衝立、ホールスタンド、テーブル(生糸検査作業用机)など8点で、90年前の神戸洋家具職人の技と思いが伝わる逸品という。
 また後半は、神戸洋家具の歴史と文化について▽神戸洋家具の時代区分▽生糸検査所の家具が作られたころの神戸洋家具▽神戸洋家具の定義と特徴―などが、西川氏と神戸芸術工科大学の佐野浩三教授により解説されている。
 昨年8月のセミナーでは、佐野氏のほかに生糸検査場の家具修復にあたった山極博史氏(「うたたね」代表)がゲストとして出席し、西川氏によるインタビューが行われた。
 冊子はKIITOで無料配布されるほかKIITOのネットサイトでも閲覧することができる。

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