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★中国木材が製材工場整備への支援を要望 木の総合文化・ウッドレガシー推進協議会

要望を伝える中国木材の堀川智子社長

 木の総合文化・ウッドレガシー推進協議会(LWCPC) は12月21日、「民政官合同会議要望活動発表会」を衆議院第一議員会館で開催した。林野庁、経済産業省、国土交通省など各省庁からの出席者を迎え、木の総合文化(ウッドレガシー)を推進する議員連盟の衛藤征士郎会長をはじめ同連盟に加盟する議員らが見守る中で、LWCPCに加盟する各団体の要望を読み上げた。

 LWCPCは、カリモク家具、飛驒産業の家具業界、木材団体など22企業・団体が参加して活動している。LWCPCは、原口博光会長のもとでまとめた要望書の中で、政府の2030年度に向けた森林による二酸化炭素(CO2)吸収量の目標値3800万㌧(19年度比約12%減)について「2050年のカーボンニュートラルの目標に向け、30年度の目標値は最小でも4800万㌧の吸収量が必要である」として、海外との比較においても、欧州連合(EU)や中国、豪州に大幅に後れを取っていることを指摘している。
 また、「日本産材自給率を高めていく見地から、市場からの陳情が必須で、緊急の課題である地球温暖化防止という地球的命題に木材産業界が積極的に取り組む責務がある」と明記するとともに、家具・建具や建築用材に国産材(日本産材)を利用することが、地球環境に貢献し、SDGsの目標達成につながることを強調している。
 LWCPCに新たに加盟した製材大手の中国木材は、要望書の中で林業が抱える問題点として▽効率化が遅れて伐採コストが高いため、山元にお金が残らず、伐採後の植林も半分に満たない▽伐採しても需要が十分でないため価格が低迷し、林業が魅力ない職業になって伐採が活性化せず、老齢木が増えて期待されるCO2削減の役割も果たせない―ことを挙げた。森林環境譲与税による予算執行のための市町村の人材不足も指摘した。
 同社は、ウッドショックが二度と起こらないように国産材の伐採強化と大規模製材・加工工場を建設するための支援を訴えた。また、大規模工場の経営を支えるバイオマス発電の電力の買い取り価格について、4万㌔ワットまでを現状の1㌔㍗当たり24円と32円で買い取ること、皆伐の補助金設定、高性能の林業機械を搬入できる林道の整備にさらに予算をあてることなどを要望した。
 カリモク家具は「家庭環境を形づくるのが家具であり、経済あるいは産業という視点だけで済ませていいのでしょうか」と問いかけた。
 飛驒産業は「先人の心を受け継ぎ、木工技術の継承や森林資源活用をけん引することで飛騨を木工の聖地にしたい」と訴えた。

新専務理事と監事を選任
 木の総合文化・ウッドレガシー推進協議会は12月21日、専務理事に東洋大学元教授の小浪博英氏、監事に注文住宅プロジェクトを手掛けるA―1PROJECT代表取締役で一級建築士の荒井一美氏を選任した。
 小浪氏の専門は都市工学。長い行政経験を生かして国土計画、地域計画、都市計画、交通計画、区画整理、国際協力など幅広く研究している。また、国内1000カ所以上のまちづくりの指導をしてきたほか、フィリピン、インドネシア、マレーシア、エジプト、イエメンなどに対して、交通、都市開発などの国際技術協力を推進してきた。
 現在は、川崎市登戸地区土地区画整理審議会会長、東アジア住宅・計画会議(EAROPH)理事などを務めている。
 荒井氏はエイ・ワン建築事務所、エイ・ワン設立時から代表取締役を務めた。

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