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★イタリア「垂直の森」設計者、ボエリ氏がミラノサローネ会場をデザイン 200本の木で飾られた緑のレセプションエリアも

ボエリ氏が設計した「ボスコバーティカル」(ステファノ・ボエリ建築事務所ホームページより、https://www.stefanoboeriarchitetti.net/)

 イタリア家具工業イベント(FLA Eventi)社は5月12日、ミラノサローネ国際家具見本市(ミラノサローネ)特別展のキュレーターに建築家のステファノ・ボエリ氏を任命した。
 ボエリ氏はミラノ市内の緑で覆われた「垂直の森」と言われるタワー「ボスコバーティカル」の設計者。再開発を必要とする欧州の都市部の建物や広場の設計に取り組んでいる。生物多様性と都市の森林化にも取り組んでいる。
 ロー・フィエラ本会場の東ゲートには、200本の木で飾られた緑のレセプションエリアが設けられ、6日間のイベント終了後に、ミラノ市内に植樹される。
 例年、4月に開催されるミラノサローネは、新型コロナウイルスの影響で開催を延期、今年は9月5日から10日までの6日間、ロー・フィエラミラノで開催される。
 ボエリ氏は、若手建築家や専門家で構成される5人のデザイナーチームの支援を受けながら、ミラノサローネと同市内で開催される見本市やイベントの新しいコンセプトと展示構成を手掛ける。
 特別展は、一般来場者にも開放され、過去18カ月間に発表された新製品をデジタルプラットフォームを通じて特別価格で購入できる。収益の一部を慈善活動に寄付する。 製品カテゴリーごとに設計された長い平行なパーティションが用意され、企業のアイデンティティや製品を垂直の壁に展示したり、水平の面に展示したりすることができるようになるという。レイアウトを構成するすべての材料と部品は、解体して再利用できるように設計される。
 本会場は、ボエリ氏らが考案したエリアやテーマに沿った会場構成になる。雑談エリア、ビジネスミーティング用ラウンジ、デザイン学校の若者のためのエリア、イタリア工業デザイン協会(ADI)が主催するコンパッソ・ドーロ賞を受賞した椅子の展示、世界のレストランなどを掲載したガイドブックを発行するイデンティタ・ゴローゼとのコラボレーションでデザインされたフードコート、ソーシャルエリア、リラクゼーションエリアなどが設けられる。
 FLAの新会長、クラウディオ・フェルトリン氏は「9月のイベントは、唯一無二で革新的なものになる。建築家のボエリ氏と、結成された若いキュレーターチームの豊富な経験と感性によって、企業が持つ最高の技術と革新性が国内外の人々に披露される」とコメントしている。
 デザイナチームのメンバーは次の各氏。アンドレア・カプート、マリア・クリスティーナ・ディデーロ、アンニーナ・コイヴ、ルーカス・ウェクウェイト、スタジオ・フォルダーのマルコ・フェラーリとエリーザ・パスカル。

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