ニュース2020.12.14
【奨励賞(審査委員長賞)】ライフスタイルデザイン部門
◇椿茶屋(石飛亮建築設計事務所、五島自動車、松岡建設、草草社)建築・空間分野。風景との親和性を保ちつつ、古材を再利用した囲炉裏テーブルなどがある内部は懐かしさも感じさせる。ここで味わう地元食材も合わせ、地域の魅力を堪能できるだろう。
◇東馬込の家(松井郁夫建築設計事務所、キューブワン・ハウジング)建築・空間分野。日本の伝統構法を新たな解釈で現代の暮らしにつなぐ、シンプルで良質な家づくりがよい。伝統的な技を活かしたパッシブエネルギーを活用する家は温熱環境面でも高い性能を確保する。
◇蔵の家(川上聡建築設計事務所、フジタケイ建築設計事務所、関西木材工業、林工務店)建築・空間分野。既存の酒蔵や土蔵といった閉鎖的な空間を、木を巧みに使って既存家屋になじむ改修を施し、使い勝手や快適性の向上に寄与している。京町家を保存しながら現代の暮らしにマッチさせる工夫がある。
◇北海道産エゾマツ材サイレントウクレレ「elevocco」(クワイアン)木製品分野。音響特性に優れたエゾマツを利用することで振動を使って奏でる点に特徴がある。細身で軽い本作品は可搬性や収納性に優れるだけでなく、幹が細い材の有効活用にもつながっている。
◇QRwood(ハッチ・クリエイト・ワークス)木製品分野。木材にバーコードを彫り込むという独創性を評価した。木質感のある立体的な意匠は人々の興味を引き、ついアクセスしたくなるインパクトを持つ。デジタルネットワークへの入り口を木質化するというユニークな発想がよい。
【同賞】ハートフルデザイン部門
◇Sou(atelier thu、山本安工務店)建築・空間分野。傾斜する敷地に沿って床レベルに高低差をつけることで建物の高さを抑えることに成功している個人住宅。風が通り抜ける心地よい木質の空間は外部の地形とつながっているようである。
◇富士屋ホテルRE―BORN(乃村工藝社、エフラボ)建築・空間分野。明治初期の建設以来、140年を超える歴史を持つホテルの大改修にあたって良質な材で制作された家具を補修、再設置した。木の持つ時間的な価値や魅力を宿泊客に感じさせてくれる取り組みといえる。
◇森をまとう六甲の糸・ファブリック&六甲山の香り・ファブリックミスト(六甲山サイレンスリゾート、縁樹の糸)木製品分野。スカーフは繊維原料として六甲山産スギを使用しており、アロマミストは原料に六甲山産スギや国産ヒノキ、ヒバ等のエッセンスを使用している。自然と一体化したリゾートにふさわしい、新しい形の木に触れ、感じるプロダクト。
◇木製ブロック ズレンガ(浅尾)木製品分野。2種類のパーツからなるレンガのような大きさのブロックで、3歳児から遊べ、4、5歳児ともなると子供たちだけで実際に入れる家が組立てられる。全ての面で連結可能なので動物やロボットなどの複雑な形状物でも直感的・巨大に組み立てられる。
◇HITA SUGIしめ縄(髙村木材)コミュニケーション分野。地元林業家と協働して、地元の木を使いながらオリジナルでつくるプロセスは、クリエイティブな行為を通じて山側と消費者を結び、素材の面白さや奥深さを伝えている。伝統文化を守りつつ現代の暮らしに生かす身近な木の利用の良質な取り組みである。
【同賞】ソーシャルデザイン部門
◇mother's+(マザーズプラス)(北海道種鶏農場、竹中工務店、藤寿産業、物林、オホーツクウッドピア)建築・空間分野。地域の畜産と観光を一体化させるグリーンツーリズムというコンセプトと、木造建築が見事にマッチした質の高い作品。環境、動物、人間社会の調和というテーマを体現した道産材を使った木質空間が高い付加価値を与えている。
◇みなと森と水ネットワーク会議(みなと森と水ネットワーク会議)コミュニケーション分野。都市部と林業自治体の連携による木材利用の先導的モデルとして継続性、実績ともに優れた取り組みである。認証制度は施行から10年目を迎えており、建築物は170件を超える成果をあげている。人的交流や木材利用のスキルアップ、消費者の理解醸成など、都市部における木材利用のさらなる成果を期待する。
◇世界的に価値の高いクラフトジンの商品化を通じた里山との関係構築~ネズミサシの活用と持続的な育成~(中国醸造、田口生産森林組合、賀茂地方森林組合、一場木工所、広島県立総合技術研究所林業技術センター)コミュニケーション分野。地域の木と嗜好品の間に新たな接点を拓いた点、国産を使ってその質を高めた点は重要である。住民、森林組合や林業技術センターと連携しながらネズミサシの産地形成を進めており、森の経済的価値向上と保全につなげている。
◇古民家・古木サーキュラーエコノミー(山翠舎)コミュニケーション分野。古木の所有側、活用側のマッチングを促進するビジネスモデルであるが、古木の持つストーリー性や希少性などを活かしたアップサイクル型となってい。メディアや物販といった生活者とのコミュニケーションにも注力している。
◇2x4工法 床構面開発事業(ウイング)技術・研究分野。床や壁の構成部材の大断面化によって国産大径材活用を進めるとともに、剛性や精度などの向上にも寄与する社会提案性の高い技術である。構造上、開口部の制約が減るため、サッシの取り付けなど空間デザインの自由度も上がる。
【特別賞(木のおもてなし賞)】
木のおもてなし賞は、日本の「木の文化」を活かした施設・空間や木製品、活動などで「おもてなし」の考えに優れたものを対象とするもの。
◇CONTEXTED(コンテクステッド、REVearth、Office for Environment Architecture、Tokyo Lighting Design、キドビル工務店、関西木材工業、土井住宅産業)建築・空間分野。長屋をリノベーションした3棟それぞれにテーマがあり、日本の木の文化を活かし、うまくデザインされた空間。長屋の面影を残しつつ、洗練された内部空間はインバウンドにも受けそうだ。
◇THE HIRAMATSU京都(NTT都市開発、日建設計大阪オフィス、大林組大阪本店、中村外二工務店)建築・空間分野。1階の共用部は京町家らしさを残す格子や障子、小屋組みなどが美しく、機能的に用いられている。客室は木材と紙や漆喰などの自然素材に囲まれ、日本文化を感じる、木のおもてなしに満ちた空間に仕上がっている。
◇HEXa(ヘキサ)(GRIND ARCHITECTS、前田基貴)木製品分野。外周は円形、酒が入る内側は六角形のデザインは加工に高度な技術を要する。丸みがあるため持ちやすく、飲みやすい。ヒノキやトチノキ、ネズミサシといった樹種ごとの香りの味わいも趣きがあり、地元食材と合わせて楽しみたい。
◇ひねり髪すき/Japan(アートフォルム)木製品分野。絶妙な曲線のフォルムには、櫛の先が頭皮にフィットし、頭皮の肌触りの心地良さや血行促進を促すという機能性が隠されている。固い素材から手作業で一本一本削りだされ、独特の味わいを醸し出している。
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