ニュース

★SDGsへの貢献をテーマに 林業白書、初のウェブ・アンケートも掲載

森林での新入社員研修の取り組み紹介
木材を店舗外装に利用したマクドナルドの実例を掲載

 林野庁はこのほど森林・林業の動向と政府の施策をまとめた「令和元年度 森林・林業白書」を公表した。
 白書では冒頭の特集として、持続可能な開発目標(SDGs)への森林・林業・木材産業による貢献を掲載している。SDGsと森林・林業・木材産業の関係性を整理し、森林の整備、森林資源の利用、森林空間の利用などについての実例が紹介されている。
 白書をまとめた林野庁林政部企画課は「SDGsに取り組み、環境への貢献をPRしていきたいが、どう取り組めばよいのか悩んでいる林業木材関係者が多い。そうした方々に、取り組み方の実例を紹介しようと思った」と企画意図を説明した。白書ではマクドナルドやコンビニエンスストアのミニストップなど林業・木材産業と協働して企業や個人が取り組んでいるさまざまな動きについて60以上の事例が紹介されている。「林業木材関係のビジネスチャンスが広がり、外部からの期待が高まっていることを考えるきっかけになれば」と企画に込めた思いを話した。
 また経済団体連合会の協力で、SDGsに関する認知度などを尋ね、企業のCSR(企業の社会的責任)をはじめ経営企画部門担当者など392社の回答が集まった初のウェブ・アンケートの結果についても掲載している。
 ほかにも2019年度の森林・林業分野でのトピックスとして森林経営管理制度、森林環境譲与税スタートや国有林野管理経営法の改正▽東京オリンピック・パラリンピック競技会場などにおける木材利用▽中高層建築物等の木造化・木質化▽林業イノベーションの推進▽房総半島台風、日本台風被害への対応―を挙げている。
 令和元年度 森林・林業白書の概要は次の通り。
 ◇1章 森林の整備・保全=森林経営管理制度や森林環境譲与税の詳細・活用事例など。
 ◇2章 林業と山村(中山間地域)=造林コストの低減やスマート林業など、林業の低コスト化・効率化に向けた取り組みなど。
 ◇3章 木材需給・利用と木材産業=8年連続で上昇した木材自給率や、建築およびエネルギー分野における木材利用、新型コロナウイルス感染症への対応など。
 ◇4章 国有林野の管理経営=国有林における技術開発や民国連携の取り組み、林業・木材産業の成長産業化への貢献など。
 ◇5章 東日本大震災からの復興=森林の放射性物質対策、きのこの出荷制限等の状況のほか復興に向けた取り組み。
 ◆森林・林業白書は次のサイトで閲覧できる https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/

ニュースの最新記事