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飛騨の家具フェスティバル特集③ 飛騨の家具新作リポート④ 日進木工 職人が仕上げた彫刻的な造形

ショールームに展示された「コーラス」
限られた職人しかできないという彫刻的なフォルム

 日進木工はプロダクトデザイナーの松岡智之氏がデザインした「CHORUS(コーラス)」をメーン会場とショールームで主力商品として打ち出した。
 彫刻的な造形とシンプルさをミックスしたデザインに同社の最高技術が結集されており、6月の発表以来、ホームユース、コントラクトの引き合いが寄せられ好評を博しているという。
 CHORUSチェアのアームは北欧デザイン、笠木と背板が描くT字のフォルムは中国・明代の椅子「圏椅(クアン・イ)」、無駄を削ぎ落とした脚はシェーカーチェアといったデザインの様式を取り入れて再構築しているため、和洋さまざまな空間やライフスタイルに合わせることができる。
 アームの部分は、U字に曲げた1本の曲げ木を半分にカットして両肘をとり、木目や材色のばらつきがないようにしている。開発部の堀口善太郎係長は「作り方も材の無駄が出ないように工夫している」と話した。背板の3次曲面は「合板ではなく、無垢でつくると非常に難しいがなんとか無垢でつくろうと、このために技術開発した」という。その彫刻的な造形は、同社のなかでも有数の職人が手作業で仕上げている。
 中間層の低価格志向に歯止めをかけようと、生産の効率化を図り、クオリティーを保ちながら、コストを抑えたダイニングも並べた。座面に余裕を持たせたチェアやベンチ、厚手の無垢の曲げ木を背板に使い、若者を意識したカジュアルな製品などを並べて展示した。

低価格志向に歯止めをかけるために中間層を狙った製品も展示した
【メーン会場】洋館風の空間に「コーラス」を並べた

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