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飛騨の家具フェスティバル特集③ 飛騨の家具新作リポート② 飛騨産業 節入り国産広葉樹を本格利用

北海道の節入りナラ材を主材とした「風のうた」
豊かな機能がシンプルなデザインにまとめられた「つぶら」。背は一本の曲げ木

 飛騨産業は、節入り国産広葉樹を使った「風のうた」をショールームで披露した。同社はこれまで国産針葉樹の圧縮材を使った製品開発を進めてきたが、国産広葉樹を本格的に利用するのは初めて。
 北海道の節入りナラ材を主材として北海道工場で生産したダイニングやリビング、シェルフ、AVキャビネットなどのラインナップをそろえている。節入り国産ナラ材の調達について営業企画室の森野敦室長は「乾燥材の調達に苦労しているが、これまで使われていなかった節入りナラ材を使い続ければ、材が安定的に出てくるようになる」とみている。
 披露されたダイニングは、輸入されたホワイトオークとは異なる、国産ナラ材のやわらかな節の風合いを生かしていた。
 プロダクトデザイナーの清水慶太氏と初めてコラボレーションしたダイニングチェア「tsubura(つぶら)」も披露された。シンプルなデザインながらコントラクト・ユースも想定した多くの機能を備えている。
 例えばスタッキングは4脚まで可能。背もたれは手がけしやすく、楽に引き出し、持ち上げできる。前脚の幅は後脚よりも狭くとられ、狭いところでも楽に出入りできる。背もたれから続く「ちょい肘」をテーブルにかけて床掃除をすることもできる。
 名前の「tsubura」は、農村で働く母親が家事や畑仕事をする際に、幼い子どもを入れて育てた丸い籠「つぶら」と、円形座面にちなんだ「円(つぶ)ら」に由来している。

オーダーテーブルのコーナーが新設された。さまざまな椅子を比較検討できる

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