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★「手仕事」の価値を未来へ 神奈川県家具協同組合が産学連携を推進、デザインコンペ開催へ 細貝昭一理事長に聞く

細貝昭一理事長
アレックス本社で秋山木工との技術交流が行われていた

 来年で創立65周年を迎える神奈川県家具協同組合。毎年、横浜で開催している「よこはま匠フェスティバル」は、市民参加のワークショップに加え、専門学校とのコラボレーションによる作品を展示するなど、未来の家具の担い手を育成する新企画を打ち出している。昨年、神奈川県家具協同組合(神家協)の理事長に就任した細貝昭一氏(アレックス代表取締役会長)はi本紙のインタビューで、新たに神奈川でデザインコンペを開催する方針を打ち出した。細貝氏に神奈川家具の現在地と未来の針路について聞いた。

歴代の志を継ぐ4代目

 初代理事長の咲寿武道氏から神谷光信氏、横内昭次郎氏と受け継がれ、細貝氏は4代目理事長として昨年6月に就任した。
 若手経営者が集まる「かなもく塾」会長として、オリジナル家具づくりから匠フェスティバル開催まで手掛け、組合に新たな風を呼び込む事業を展開してきた。現在の神家協の組合員は35社。プロパーから特注家具、家具修理、最近では椅子の張り替えを専門とする組合員も多くなっているという。
 6月19日から3日間、横浜市役所アトリウムで開催した「第4回よこはま匠フェスティバル」(匠フェス)は、建築・家具・インテリア専門学校「ICSカレッジオブアーツ」(東京都目黒区)の学生ら8人がデザインして組合員各社で制作した家具が展示された。
 映画「ロボット・ドリームズ」をモチーフに収納キャビネットを作った王守正さん(26)は、秋山木工で学び「リノリウムの張り方など勉強になった」という。
 「匠フェスティバルを継続することが、最も意義のあること。産学連携して、学生と企業を結びつけて新しいことができないか考えている」と細貝氏は、未来を見据えて語る。

魅力を発信、若手の確保へ

 インタビューでは、産学連携をさらに発展させて、神家協主催で「学生たちを応募対象に含めた家具のコンテストができないかと、いま考えている」ことを明かした。
 「匠フェスティバルの会場である横浜市役所のアトリウムで、優秀なデザインに賞金を出して表彰するようなことができればいいなと思っている」。神奈川県内の大学にある建築学科や美大の学生などを応募対象として考えているという。
 目的は、コンペを通じて「神奈川には魅力ある企業があることを知らしめる」こと。若手の人材確保は神奈川だけでなく、家具業界共通の課題でもある。そこにくさびを打つためのアイデアとして実行に移す構えだ。学生を中心にどこまで応募対象年齢を広げるか、検討しているという。

デジタル時代だからこそ映える「ものづくり」

  「AIが普及してデジタル化が進んでいる今だからこそ、チャンスではないか。間違いなく、人の手によるものづくりが脚光を浴びる時」であることを力説した。
 秋山木工の秋山利輝会長に背中を押され立ち上げた「かなもく塾」。最初は3人の若手メンバーから始まった。オリジナル家具を作って販売しようという企画を立ち上げ、人が集まり始めた。いまは20人近くが集まり2時間以上、熱い議論を交わすこともあるという。匠フェスの企画・運営も「かなもく塾」で行っている。細貝氏の理事長就任と同時に、現在はマカロニデザイン代表の野﨑義嗣氏が会長を引き継いでいる。
 横浜市役所のアトリウムで匠フェスティバルを開催したのは、組合での家具受注を広げることが目的だった。家具一般販売、市民参加型のワークショップやトークショーの開催、産学連携プロジェクトなど毎年内容に磨きをかけながら継続してきた。
 今年の神家協総会後の懇親会で細貝氏は「とにかく行動すること」と組合員を激励した。若手メンバーとともに、神奈川家具の未来に向かって匠フェスを進化させるために、細貝氏は今、さまざまな構想を頭に巡らせている。

横浜市役所のアトリウムで開催された「よこはま匠フェスティバル」
アレックスが修復した家具が特価で販売されていた
秋山木工で学んだICSカレッジオブアーツの王守正さんと「September Storage cabinet」

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