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★森のどんぐり使ったヌメ革誕生 川善商店がサステナブルに展開 食肉副産物の国産牛皮活用

森の木から落ちたどんぐりを拾って作った植物タンニン剤を使ってなめしたヌメ革
採集されたどんぐり

 幅広いジャンルの天然皮革を取り扱う製造卸メーカー、川善商店(愛知県名古屋市)は12月4日、どんぐりと国産牛皮を使ったヌメ革「ペリット・クプール」を発売、同日と5日の両日、都立産業貿易センター台東館(東京都台東区)で開催される東京レザーフェアに出展する。
 「ペリット・クプール」はトルコ語で「どんぐりの帽子」の意味。森で自然に落ちたどんぐりの帽子部分(殻斗)を拾い集め、植物タンニン剤として活用し、なめしている。
 同社によると「バッグ、かばん、靴、財布などの小物からアパレル、インテリアまで幅広い用途で使える」という。
 ヌメ革は、動物の皮を植物タンニン剤(植物の渋)でなめした革のこと。自然由来の材料のみで作られる。一般的なヌメ革で使用される植物タンニン剤は、専用に栽培した植物を原料として使用される。
 一方、ペリット・クプールは、森で自然に落ちているどんぐりを拾い集め、タンニン剤として活用するため、原料となる植物を育てるエネルギーが不要となる。
 また食肉の副産物である国産牛皮を使っており「自然の恵みをそのまま生かしているため、とてもサステナブル。輸送にかかるエネルギーも削減でき、地産地消にもつながる」としている。欧州などで規制が厳しくなっているビスフェノールフリーにも配慮している。
 どんぐりのタンニン剤は、欧州の高級メゾンで使用されるタンニン剤に近い性質を持ち、上品でくすんだ黄色系の色合いと、しなやかな風合いが特徴で「独自の風合いが魅力」という。
 ナチュラル、どんぐりブラウン、どんぐりライトブラウンの3色展開。それぞれハードタイプ、バケッタシュリンクタイプを用意しており、別注色・別加工にも対応可能。ウェブサイトでは限定商品の販売も予定している。(写真提供:川善商店)

※一般向け販売サイト(12月4日午前10時発売開始予定)
https://kawazenonlineshop.com

どんぐりはトルコの森で人の手によって採集される
バケッタタイプ
ペリット・クプールのロゴ

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