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★広葉樹の端材を生かし、暮らしに「森の景色をつくる」 中川政七商店が初の家具シリーズ発表

木端の花台(手前)と、木端の椅子

 中川政七商店(奈良市)は10月10日、同社初となるインテリア家具シリーズの第1弾として、倉本仁氏をデザイナーに迎え、飛騨高山の広葉樹端材を生かした「木端(こば)の椅子」、「木端の花台」を開発、10月22日に発売すると発表した。
 同社によるとブナやクリ、クルミなど広葉樹の端材を使い、職人の手で工芸的なものづくりに挑戦する取り組みで、あえて不揃いの素材を受け入れ、薪のように樹皮を残したデザインにより、暮らしの中に「森の景色をつくる」家具を目指した。
 木端の椅子は幅・奥行き35~37㌢×高さ42㌢、また木端の花台は幅・奥行き27㌢×高さ11㌢。どちらも椅子やサイドテーブル、ディスプレイ台に使えるスツールで、天板にブナ材を使用したナチュラルと、クルミ材を鉄媒染で染め上げて深みのある色に仕上げたブラックの2タイプがある。
 ナチュラルの脚は、複数の広葉樹を組み合わせた一つひとつ個性のある表情が特徴。またブラックの脚は、樹皮のような質感と木目が森の景色を思わせ、オブジェのように空間を引き立てるという。
 開発にあたり同社では「森と木と暮らしをつなぐ」をコンセプトとする飛騨高山の家具工房・木と暮らしの制作所と共同で、これまで生かされてこなかった広葉樹端材の再生に取り組んだ。
 デザインは倉本仁氏が不定形な素材の個性を受け入れながら暮らしに調和する形を追求した。
 販売は10月22日から同社奈良本店のほか直営各店とオンラインショップ。渋谷店とオンラインショップでは「木と暮らす景色」をテーマにした企画展も予定されている。
 また、木端シリーズの開発メンバーによる特別鼎談が10月22日14時から東京ミッドタウン(東京都港区赤坂9―7―1)アトリウムで開催される。登壇者は倉本仁(JIN KURAMOTO STUDIO代表)、阿部貢三(木と暮らしの制作所代表取締役)、高倉泰(中川政七商店商品部ディレクター)の3氏。
 「木端」シリーズの詳細は同社特集サイト

 ◇木と暮らしの制作所・阿部貢三氏の話 自分たちでは使い切れていなかった小さな部材を今回の企画で中川政七商店や倉本氏らに価値を見出していただいた。不定形な素材を規格内に収めることの難しさはあるが、暮らしの中で『森の存在』を感じていただけると嬉しいです。

 ◇倉本仁氏の話 今回のプロジェクトをきっかけに木と暮らしの制作所を訪問し、彼らの木への愛情や敬意、森に対する真摯な姿勢に感銘を受けた。木が持つ表情やキャラクターを生かしながら、日々の生活の中でその価値と背景の物語を体感できるパワーアイテムのような家具のあり方を求めた。

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