2年に1度、日本の最先端の木材加工技術が集まる「日本木工機械展/Mokkiten Japan 2023」(一般社団法人日本木工機械工業会主催)が10月5日から7日までの3日間、「森と人とを繋ぐ業」をテーマに「ポートメッセなごや」新第1展示館で開催される。地域材による木材製品や子どもから大人まで楽しめるイベントが行われるBtoCの展示会「ウッドワンダーランド」も、5日から8日の日曜日まで愛知県と共催で開催される。
木機展の出展者数は155社で前回比115%増、団体小間数は1063小間(屋内1052、屋外11小間)で同121%増と大幅増、ここ20年で2番目の規模となる。
海外は、台湾8社10小間、4年ぶりに台湾パビリオンが復活するほかドイツ、イタリア、シンガポール、韓国と欧州、アジアの企業が出展する。
今回のテーマ「森と人とを繋ぐ業」について、実行委員長の長谷川英生氏は「日本の豊かな森と森林資源を大切に利用していくことが喫緊の課題となっており、その答えの一つが木材加工機械による木材利用。自然の恵みである大切な森の資源を、人々の暮らしの中へと繋いでいくのが木材加工の業」と説明している。
今回はポートメッセなごやに昨年オープンした新第1展示館で開催される。広さ約2万平方㍍。国内最大級の無柱空間で、あおなみ線「金城ふ頭駅」に直結している。
木工機械メーカー各社は、最新のセンサー技術、情報処理技術を活用し、日本の木材産業が抱えるニーズ、DX、自動化、省人化、歩留まりの向上などに対応しながら新たな製品の開発に取り組んでいる。
今回の日本木工機械展(木機展)でも、木工機械メーカー6社がJCPグループとして出展、省人化・脱職人を目指し、機種ごとの強みを生かして生産ラインのトータルプランニングを提案する。木工機械メーカー、刃物メーカー、金物メーカーのコラボレーション展示も展開される。
タブレットPCで操作でき、初心者でも簡単に扱えるNCルーター、機械の設置場所を最小化しアップグレードしたマシニングセンター、直感的に操作ができる新しい設計ソフトなどの最新機種も登場する。
スギの大径木化などに対応した大径材の製材機械や林業の人出不足に対応して、オペレーターに必要な経験や技量をカバーする2Dスキャナーが搭載された送材車が出展される。
合板機械は、今年から規格が改正され、機械化が認められるようになった合板検査装置が注目される。従来の合板検査工程は、資格をもった熟練技能者によって行われていたが、人手不足の中、技術を持つ人材の確保が難しくなり、機械化のニーズが高まっていた。各社による高度画像処理、AI技術を利用した最先端の合板検査装置が見どころとなる。
プレカット機械では、省人省力化をテーマとした自動投入積込装置が展示される。ほかにも、在来特殊・各種金物・中断面加工に対応した加工機から、高速羽柄三次元切断機、断熱材加工機など最新の自動装置が披露される。
コンベンションセンターで連日行われるセミナーは、木材や加工技術をより深く広く知る機会となる。7日は「林業・製材業の未来」というタイトルで、モリアゲ代表の長野麻子氏による講演会とパネルディスカッションが行われる。内容は国産材への追い風、地域循環、サプライチェーン連携の事例紹介など。
来場は、日本木工機械展のホームページから事前登録して、QRコードの付いた来場者証を印刷して持参する。
地域産材製品が集結
ウッドワンダーランド同時開催
子ども向けイベントも
新第1展示館で開催される木機展と同フロアで、第4回目を迎えるウッドワンダーランドが開催さる。
企業や木材関連団体24社(45小間)が出展。愛知県産材をはじめとした地域産材を使った建材、建具、家具、小物など、暮らしの中で使えるさまざまな木材製品の展示や販売が行われる。
木に触れて、肌触りや香りを体験できる木製カートや木製ジャングルジムなど木製遊具を楽しむことができる。
愛知県産木材を使ったDIY体験や木の箸作り、かんな削り体験などができる木工ワークショップコーナーなど、子どもから大人まで楽しめるイベントが催される。
木機展のサイトから来場登録できる。
講演会・セミナー
今さらだけど木材乾燥の基本
─品質の確かな人工乾燥材の生産に向けて─
日時:10月5日(木)午後1時30分~5時
会場:コンベンションセンター4階 コンベンションホールB
主催:全国木材組合連合会・日本木材乾燥施設協会
木質資源のマテリアル利用における
脱炭素と資源循環(仮)
日時:10月5日(木)午後1時30分~4時
会場:交流センター第7会議室
主催:産総研コンソーシアム持続性木質資源工業技術研究会 電話052・736・7575
フレッシュマン?セミナー
─夢と可能性でいっぱい!~木材加工の世界─
日時:10月6日(金)午前10時~午後0時20分
会場:コンベンションセンター4階 コンベンションホールB
講師:名古屋大学大学院生命農学研究科 森林・環境資源科学専攻 教授 山崎 真理子 氏
主催:(一社)日本木工機械工業会・全日本木工機械商業組合 電話052・261・7511
林業・製材業の未来
─みんなで連携して国産材利用をモリアゲよう! ─
日時:10月7日(土)午後1時30分~3時30分
会場:コンベンションセンター4階 コンベンションホールB
講師:モリアゲ 代表 長野 麻子 氏
主催:日本木工機械工業会 電話052・261・7511
オンライン開催
欧州と日本におけるBIMの最新動向と木造建築への応用
日時:10月3日(火)午後3時~5時
会場:オンラインのみ
主催:日本輸入木工機械協会 電話0562・85・4139
【日本木工機械展/Mokkiten Japan 2023 開催概要】
会場:ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)第1展示館、屋外
会期・時間:2023年10月5日(木)~10月7日(土)3日間 9時~午後5時
入場料:無料
※来場登録はこちら/から