現地生産する
日本企業が合同出展
ジャパンパビリオンは、ベトナムで活動する日系企業6社が出展した合同ブース。日本企業ならではのきめ細かい製品を体感できる場として、多くの来場者が訪れた。
ベトナム市場への期待と課題を情報交換
馬場家具
2005年にベトナムに進出し、ハイフォン市に工場を持つ馬場家具(群馬県高崎市)。ブースの半分を占める広さを使い、ソファを展示した。BABAKAGUのブランド名で海外展開する。
革ではなくポリエステルを使用したソファは「ビーガンヌバック」と名付け、環境に優しい素材として注目されている。現地工場の製品は日本向けが約6割で、他はASEAN向けが多い。高額商品のため、ベトナム国内での販売は難しいと考えてきたが、7年ほど前から売り上げが伸びている。
「人件費が上がっており、安く安くということだけでは難しくなっている」と現地法人リバックスベトナムのゼネラルディレクター馬場良夫氏。ベトナム家具の今後については「ベトナム人の勤勉さ、器用さを生かした技術力の高い家具を期待したい」と話した。
ベトナムでの働く場を提供するスチール階段のカツデンアーキテック
デザイン性の高い住宅用スチール階段のトップメーカー、カツデンアーキテックが出展。「日本では売れている製品ですが、ベトナムではこれからです」とカツデンアーキテックベトナムのゼネラルマネジャーの田上博史氏。スチール、ラバーを使用した階段2本を展示した。
8年前にベトナムへ進出し、階段部品、サイクルスタンドなどを生産している。日本で受注する階段の図面作成も行っている。ベトナム操業のきっかけは「技能実習生として来日したベトナム人が、せっかく身に付けた技術を帰国後に生かせる場所をつくりたい」という思いからだった。
田上氏は「成長する国で建材メーカーとして発展していきたい」と話した。
内装のNC1は家具づくりに乗り出して好反応
2015年にホーチミン市で創業、内装デザインから店舗施工まで幅広い業務を行い、3Dデザインでのものづくりも手掛けるNC1。昨年から家具生産に着手し、ホームユースを中心にベトナム市場向けから始め、日本、欧米に展開する。
「機能性とアート性を融合させた家具作りを行いたい」とインテリア事業部生産管理部長の石橋修一氏。ホワイトアッシュ材のダイニングテーブルセットを展示し、「ベトナム人バイヤーからの反応は良かった」という。「ベトナム人技術者と心が触れ合うものづくりをしたい」と話し、市場の調査を進め、今後オフィス、ホテル、店舗などに向けたOEM主体の家具生産も視野に入れる。