ニュース2022.12.12
北海道のほぼ中央に位置し、東部に大雪山を望む東川町。国際フェスティバルを開催する「写真の町」として町おこしに取り組むなど文化事業に力を入れている。同町は11月28日、「KAGUデザインミュージアム(仮称)」建設に向けて支援の会を発足した。
旭川家具の主要産地でもある東川町は「KAGUデザインミュージアム」を通じて建築や家具による豊かな暮らしを発信する。建設支援の会の呼び掛け人は、歌手の加藤登紀子氏をはじめ大学教授、デザイナー、アーティストらが名を連ね、建築家の隈研吾氏が代表を務める。今後は、一般の寄付やふるさと納税、企業版のふるさと納税を活用しながら資金を集め、2025年をめどに着工するという。
同町の家具デザインコンペの審査委員長も務める隈氏は「世界の大きな都市にはデザインミュージアムがあるが、日本の取り組みは遅れ、歯がゆい思いをしてきた。地方から発信するデザインミュージアムをつくるなら、東川町は最高の場所」と話した。
建物は同町にあるコメの倉庫を利用し、家具だけではなく世界の木製玩具や生活を彩るプロダクトなどの展示構想を描いている。世界の名作家具を収集している東海大学名誉教授の織田憲嗣氏のコレクションや隈氏の木の建築模型を展示することも考えている。
東川町の松岡市郎町長は、同町がカンディハウスの創業者である長原實氏の出身地であることに触れて「長原さんは肺がんで亡くなられましたが『ものづくり大学とデザインミュージアムが地域を元気にし、日本を元気にする』と震える手で書いて亡くなられた」というエピソードを感慨を込めて伝えた。
織田氏は「KAGUデザインミュージアムというタイトルだと、家具専門のデザインミュージアムと思われるため、私としては、ライフデザインミュージアムといった暮らし、生活というものを包括したような名称の方がいいと考えている」と話した。
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