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★「ファストファニチャー」の大量廃棄でごみ問題が深刻化 米ニューヨークタイムズ報道

 米ニューヨークタイムズ(電子版)は11月2日に更新した記事で、安価だが長持ちしない「ファストファニチャー」が大量廃棄されることでごみ問題が深刻化すると指摘した。
 ファストファニチャーの大量消費が加速したのは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中の時期で、これに相反して消費者が耐久性のある製品を求めるようになっていることや、中古家具を販売したりサブスクリプション(定額レンタル)を行ったりする業者の動きを伝えた。
 ニューヨークタイムズは、米国人は新型コロナのパンデミック中(2019~21年)に40億ドル超の大量の家具を購入したが、多くは10年もたない「大量生産された安価なファストファニチャー」だと分析。その上で、イリノイ大学の工業デザイン教授ディーナ・マクドナー氏の言葉を引用し「文化も歴史もない」と批判した。同教授によると、家具販売大手イケアのベッドやEC(電子商取引)サイト大手ウェイフェアのデスクの多くは約5年の使用を前提に設計されているという。
 ニューヨークタイムズは一方で、イケアが製品の修理や再販に応じたり、ウェイフェアが世代を超えて使える家具を追求したりしていることなどにも言及。また、こうした企業が何百万人もの住宅所有者に手頃な価格でスタイリッシュな生活を提供していると評価した。
 しかし、環境保護庁の統計によると、米国人の家具廃棄量は現在、年間1200万㌧以上で、1960年以降450%増加している。廃棄される家具の大部分は埋め立て処分されるが、量が多く生分解もしないため、大きな問題になっていると解説した。
 ファストファニチャーが市場に多く出回るようになった背景には、住宅プロジェクトの短納期化や、新型コロナのパンデミックによりサプライチェーン(供給網)が混乱し、カスタム家具の納品が遅延するといった問題があるという。
 ファストファニチャーの台頭に相反する動きとしては、ペンシルべニア州フィラデルフィアに住宅を購入した男性が独学で習得した技術で家具を手作りした話とともに、この男性の「市販されている家具よりはるかに頑丈で、住居を移るたびにイケアのデスクを新調する必要はない」との意見を掲載した。
 販売側では、2014年設立の中古家具オンライン・マーケット・プレース「Kaiyo」 がこれまでに350万ポンド(約1588㌧)の家具を埋め立て処理から回避させた。また、家具のサブスクサービスを展開する「Fernish」がブランド家具を毎月定額で貸し出し、いつでも購入できる仕組みを採用して100万ポンド以上の家具の廃棄削減を行ったなどの実績を紹介した。
 Fernishのマイケル・バーロウ最高経営責任者(CEO)は「 家具に第二の人生を与える方法は、きわめて高品質な製品を流通させるサプライチェーンを構築することだ」と指摘。年齢層は20代と30代の人が核になると話している。
 【注】この記事は抜粋、要約して翻訳しています。原文はhttps://www.nytimes.com/2022/10/31/realestate/fast-furniture-clogged-landfills.html、から読むことができます。

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