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★蜂の巣をデザインしたコーヒーテーブル マレーシア若手人材育成する木材産地コンペで受賞

受賞作品について説明するモハマド・シャハナディンさん=7月8日、クアラルンプール

 マレーシア国際貿易展示センター(MITEC)の会場の一角では、マレーシアの伝統文化振興を目的とするNPO「PUSAKA(プサカ)」とサラワク大学が2019年に行った若手デザイナーのコンペの受賞作品も展示された。
 コンペは、マレーシアの主要木材産地で独自の文化を持つサラワク州から若手デザイナーを生み出し、家具業界での存在感を高めることを目的に16年から行われている。今回は新型コロナウイルス流行前に募集した作品の中から「ベストデザイン」5作品を選出。同州産の木材で制作したテーブルや椅子のモックアップを展示した。5作品は今後、国内外のメーカーなどに提案され、商品化に向けた協議がされる予定。
 ベストデザインの一つに選ばれた「BEEHIVE COFEE TABLE(ビーハイブ・コーヒー・テーブル)」を考案したモハマド・シャハナディンさん(25)は、展示ブースで家具新聞の取材に応じ「サラワク州の木材を活用した独自デザインの家具を発信することが、産業・文化の発展につながる」と話した。
 ビーハイブは、蜜蜂が子どもを育てる養蜂箱の意。蜂の巣はその薄さに対して衝撃に強く、内部に蜂蜜を最大量ため込むことができる六角形の部屋で構成されているのが特徴。シャハナディンさんはシンプルな六角形を並べて天板とし、異なる塗装を組み合わせてアクセントを付けたコーヒーテーブルを考案。モックアップはサラワク州産のアカシア材で制作した。同州はアカシアを蜜源とする良質な蜂蜜の産地としても知られる。
 シャハナディンさんは「特に上部から見たときの形状と色の組み合わせにこだわった」と説明。デザインは学生時代(当時22歳)のナイーブさが出ているとも指摘し、今後の商品化に向けてブラッシュアップできる考えも示した。尊敬するデザイナーの一人には、21年開催の東京五輪・パラリンピックで聖火台をデザインした日本の佐藤オオキ氏を挙げている。いつか本人と直接話をしてみたいという。

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