ニュース2022.05.18
業務用家具メーカーのアダル(福岡市博多区)は5月16日、福岡本社と東京支店を社外の人が見学できるオープンオフィスにリニューアルしたと発表した。施設名は、ADAL CREATIVE PLACE TOKYOならびに同FUKUOKA。自社製品で構成されたワークプレイスとして、社員が心地よく働ける快適なオフィスを提案していくとしている。
同社によると、新施設では業務内容によって最適な場所で働くことで生産性を高める「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)」の考え方を軸に、今年1月に発表した家具ブランド「アティック」の新作を中心に構成している。
2拠点のうち、TOKYOは「多様なライフスタイルに応える空間提案の場」としてデザイン事務所Canuch Incの木下陽介氏がデザインを担当。空間の配色や張地の彩度を落とし、グレーやベージュ色を基調とすることで、来訪者の視点では家具の色・形・質を比較体験しやすく、働く社員にとっては家庭環境に近い、落ち着きのある配色の居心地の良い空間を意図して設計したという。
TOKYOの特徴は、自社工場で製作した家具を使用し、置き家具から造作家具まで一貫したコーディネートを実現するとともに、ABWの考え方を軸とした空間を設計。また個人の固定席を設けないフリーアドレスを採用し、チームを超えた社員同士のコミュニケーション促進を図っている。
一方、FUKUOKAのデザインコンセプトは「未完成」。同社クリエイティブ事業部の露口治氏デザインで、集う人々が固定概念に捕らわれることなく柔軟に物事を考えられる場として設計したという。
特徴の一つは来訪者に向けた空間効果。壁面には本来、人の目に触れることのない下地材が仕上げ材として使用。むき出しのモルタル、下地材のラワンベニヤ、軽量鉄骨の間仕切りなど、一見工事中に見える空間に照明、植栽、ディスプレイなどをバランスよく調和させ、素材の美しさを引き立たせた。そこに洗練された家具を配置することで、家具そのものの美しさが引き立ち、来訪者への空間インスピレーション効果を狙っている。
FUKUOKAでは主に企画開発職やプランニング職など業務に創造性を求められる社員が働くため、社員に向けた空間効果として「心地よい緊張感」と「程よい安堵感」を両立させた。色味を抑え、全体の素材を選定するとともに、照明も明暗のメリハリが出るような照度設定により緊張と緩和を演出しているという。
両施設の所在地は▽TOKYO(東京都新宿区新宿5―17―5、ラウンドクロス新宿5丁目ビル1・2階、電話03・5155・5005)▽FUKUOKA(福岡市博多区金の隈3―13―2、電話092・504・4141)。
来場の際は電話または予約サイトで事前予約が必要。
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