ニュース2021.09.17
ミラノサローネ国際家具見本市(ミラノサローネ)(9月5日~10日)がコロナ禍の中、イタリアのローフィエラで開催された。来場者数は6日間で6万人を超えたという。例年4月に開催されているが、昨年は中止、今年は9月に延期するという異例の開催になった。イタリア・モンツァ出身のカメラマンでミラノ在住のカメラマン、アンジェリカさんの写真とともに今年のミラサローネ、フォーリサローネをお伝えする。
コロナ禍の中、感染対策を講じて2年ぶりにミラノサローネが開催された。各入り口には即席抗原検査ハブが置かれた。
出展は425ブランド。16%がイタリア国外から出展した。来場者のうち30%が113カ国から訪れた外国人だった。来場者の半数以上が、貿易関係やバイヤーが占め、バイヤーの47%は外国人だった。また世界各国から1800人のジャーナリストが来場した。
コロナ禍における開催に備えてイタリア家具工業連盟をはじめとした主催側も知恵を絞り、結果としてテーマ性の強い特別展「スーパーサローネ」が実現、緑と木を使ったサステナビリティ―に訴えた会場構成になった。キュレーターにはミラノ市内の緑で覆われた高層マンション「ボスコバーティカル」の設計者である建築家のステファノ・ボエリ氏を迎えた。会場は一般来場者にも公開された。
写真を撮影したアンジェリカさんにとっては「私達は土と水でできた、球体に住んでいます。それを少しずつ思い出させてくれるような、規模が小さかったものの、スーパーサローネであった」という。
デジタルプラフォームも最大限に活用した。ミラノサローネのサイトではセルジオ・マッタレッラ大統領を迎えたオープニングセレモニーの様子などが伝えられ、150万のページビュー数と1日9万人のユーザー数を記録した。このほかにもTikTok、Instagram、Facebook、Linkedin、TwitterのSNSも駆使するなど、デジタル利用が飛躍的に加速した。長いミラノサローネの歴史の中でも「デジタル元年」ともいえる結果となった。
イタリア家具工業連盟会長のクラウディオ・フェルトリン氏は「このイベントは、名実ともに “super”なsaloneであり、卓越した時代、デザイン、持続可能性、品質、研究、革新、文化、食を原動力とする革新的なフォーマットを見事にまとめ上げた」とコメントしている。
キュレーターのボエリ氏は「一般公開され、デジタルでの交流や購入が可能で、製品の価値を高めることができる明確な展示形式を持ち、素材は完全にリサイクル可能で、レイアウトは解体可能。 『supersalone』 は、困難な時代に、勇気、情熱、明確な目的の組み合わせが、世界を変えることができる手段であることを示した」とコメントしている。
次回は2022年4月5日から10日までの開催を予定している。
写真撮影はAngelica Orsetta Fossati Bellaniさん
Angelica Orsetta Fossati Bellani イタリア・モンツアー出身のカメラマン。NABA芸術大学卒業後、LUISAVIAROMAで活動した後、2012年Casa Della Luna rossaモンツアーにてデザインの個展を発表。以降イタリア全体でイベントカメラマンとして現在まで活動してる。2020年"La visione e una cerniera che apre un mondo possibile"のPVイラストレーションを手がけている。
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