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★木材利用を通じ新たな価値創造へ 日本ウッドデザイン協会設立

協会設立を発表する(最前列左から)吉田淳一三菱地所社長、佐々木正人竹中工務店社長、赤池学ユニバーサルデザイン総合研究所所長、隈研吾会長、下野六太農林水産大臣政務官、天羽隆林野庁長官、奥和登農林中央金庫理事長、市川晃住友林業会長  (12月8日、エコプロダクツ展2021会場)

 農林中央金庫、住友林業、竹中工務店、三菱地所、ユニバーサルデザイン総合研究所の5社は12月8日、建築家の隈研吾氏を会長に迎えて「一般社団法人日本ウッドデザイン協会」を11月18日に設立したと発表した。
 設立目的について5社は、木を活用した社会課題の解決を目指す取組みを「ウッドデザイン」と定義し、ウッドデザインに関わる分野での調査、研究、開発、事業創造、普及・啓発機関として、木のある豊かな暮らし、木材利用、森林・林業の成長産業化および地方創生を推進して、脱炭素化など環境と資源に配慮した持続可能な社会の実現を図り、広く社会に貢献するとしている。
 主な事業内容は次の通り。
 ①木を生かした新たなライフスタイルや社会的価値を創造する顕彰事業「ウッドデザイン賞」の企画、運営。
 ②木を使うメリットや効果・効能に関する調査・研究、木を生かした豊かで快適なデザインの価値基準、ガイドライン等の策定に関する調査・研究。
 ③木の活用を考える異業種や公民の連携促進とビジネスモデルの開発および、木を使ってカーボンニュートラルな社会を構築するためのビジネスマッチング事業。
 ④官公庁または公的機関に対する木の活用または地球環境の保全のための提言、もしくは協力を依頼する事業。
 ⑤各種の研究成果や優良事例、ビジネスモデルなどを広く社会に広め、普及・発展させるための広報やプロモーション、研修に関する事業―などとなっている。
 役員には隈研吾会長のほか、副会長に奥和登・農林中央金庫代表理事理事長兼執行役員、市川晃・住友林業代表取締役会長、佐々木正人・竹中工務店取締役社長、吉田淳一・三菱地所執行役社長の4人が就任した。また専務理事には田中正彦・農林中央金庫審議役。このほか代表理事、常任理事、理事、監事に14人が就任。このうち家具関係では、常任理事に清水俊也・イトーキ執行役員、理事に佐藤岳利・ワイス・ワイス最高執行責任者が加わっている。
 協会の詳細は 同協会ホームページ

■業種の枠を超え多くの参加を

 ◇隈研吾会長のメッセージ 「ウッドデザイン」は木材を使って社会と暮らし、都市と地域に新たな価値をもたらす多様な連携による活動の総称です。そして日本ウッドデザイン協会は、木材を使って持続可能な社会、個性ある地域、豊かで安心な暮らしをデザインするための新たなプラットフォームです。
 この2年あまりで社会にもたらされた劇的な変化は、人々の価値観を大きく変え、自然との近さや発想の柔軟性がより求められるようになりました。木材はこうした価値観に応える最良の素材です。協会の目的を達成するためには、業種や分野の枠を超えた多くの方々の参画が不可欠です。ぜひ趣旨にご賛同いただき、共にこの活動を進めていただけますようお願い申し上げます。

■木材利用推進への活動に期待

 ◇天羽隆林野庁長官のメッセージ 日本ウッドデザイン協会の設立を、心よりお祝い申し上げます。本年10月に「脱炭素社会の実現等に資する等のための建築物等における木材利用促進法」が施行され、建築物等における木材利用の推進に向けて国民運動として取り組んでいくこととされたところです。
 このような中、木材を活用して持続可能な社会の実現を図ることを目的として、民間企業の皆さまが中心となって新たな団体を立ち上げられたことは、とても意義深いものと考えます。
 “木のある豊かな暮らし”の普及や、さらなる木材利用の推進に向け、林野庁としても貴協会をはじめとする皆さまと連携して取り組んでいきたいと考えており、貴協会の今後の活動がウッドデザインという名称に込められた含意を踏まえて豊かに発展されるよう期待しております。

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