ニュース2021.09.01
静岡県浜松市と乃村工藝社は9月1日、浜松城と浜松こども館のリニューアルにあたり、森林認証制度FSC認証木材である天竜材を使用し、城および公共児童施設として全国初のFSCプロジェクト認証を取得したことを明らかにした。
浜松城は3階「情景の層」の床材に、浜松こども館は遊具・床・壁にFSC認証木材を使用していることから「プロジェクトの特定部位に対するFSC表示」が認められたという。
FSCプロジェクト認証は、個別にデザインされる施設などを対象に、森林破壊や違法伐採などの環境・社会的な問題のリスクの低い原材料が責任を持って調達されていることを認めるもの。
浜松市は2010年3月にFSC認証を取得。FSC認証材の生産量は5万9550平方㍍(18年時点)で全国トップクラス。
同市が理念とする「価値ある森林の共創」実現に向け、今回の2施設リニューアルでは天竜材を活用したFSCプロジェクト認証取得に取り組んだ。
一方、乃村工藝社は両施設の空間プロデュースを手掛け、国産材のノウハウと協力企業ネットワークを生かして、FSC認証材の製材加工ができるチーム編成をはじめ、企画・設計・施工を担当した。
またデザイン面では、浜松こども館のオリジナル遊具やフローリング材を子供たちが天竜材に直接触れて遊べるように設計し、木材の表面に熱した道具で焼き跡をつける「焼き絵」の手法で浜松市の森の生き物を描くなど、天竜材の魅力をアピールしている。
FSCジャパンによると浜松市のように地域が取り組むFSCプロジェクト認証の取得数が増加しているという。8月時点で国内累計45件と、20年春のコロナ禍までは4年連続で公共施設や商業施設を中心に取得数が増加していた。
今回のリニューアルを担当した浜松市産業部林業振興課副主幹の藤江俊允氏は「SDGs未来都市である浜松市は、天竜材の活用やプロジェクト認証の積極的な取得を進めています。浜松城、浜松こども館の認証取得は、持続可能性への配慮による市のブランド力向上や、林業事業者を含めて市民の誇りに繋がり、50年後先の未来も豊かにしていくと考えています」とコメントしている。
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