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★きたもっく6次産業化で表彰 飛驒産業と家具材供給など取り組み

「六次産業化の協働プロジェクト」のkinoe(パーソナルチェア)㊨と、「SEOTO(セミアームチェア)㊧

 飛驒産業(岐阜県高山市)は、地元産材の活用パートナーである「きたもっく」(群馬県長野原町北軽井沢)が1月18日、農林水産省の2020年度「6次産業化優良事例表彰」で食料産業局長賞を受賞したと発表した。きたもっくは広葉樹の計画伐採を行い、建築材や家具材の加工、宿泊施設や住居への薪ストーブ設置や地産蜂蜜を使用した加工品の販売など、地域の資源を観光宿泊事業と連携することで高付加価値化を実現。多面的な地域資源活用事業の展開で移住者の増加に寄与していることが評価された。
 農林漁業の6次産業化は、1次産業の農林漁業と2次産業の製造業、3次産業としての小売業などが一体的な取り組みで農山漁村の地域資源を活用した新たな付加価値創出を目指すもの。表彰では、農林水産省6次産業化推進協議会が6次産業化に取り組む事業者を支援するため有識者による審査を経て選定した優良事例の表彰式や発表会を開催している。
 飛驒産業ときたもっくは昨年12月、北軽井沢産の広葉樹を家具材に活用する「六次産業化の協働プロジェクト」を開始した。きたもっくが供給する北軽井沢産の広葉樹小径木を使った椅子を飛驒産業が製作。適切な伐採による健全な山林育成や、地元の産業振興といった課題解決を目指している。
 特に有効活用の難しい小径木を飛驒産業が付加価値の高いダイニングチェアに加工。きたもっくがネットサイトでEC販売する、六次産業化モデルの構築を目指している。同プロジェクトで製作されるチェアは、飛驒産業のダイニングチェアの中でも人気の高い「kinoe(パーソナルチェア)」と「SEOTO(セミアームチェア)」の2シリーズ。
 両社は「きたもっくが持つ豊富な森林資源と、そこから調達可能な国産広葉樹、同社が保有する伐採・製材・乾燥技術と、飛驒産業が保有する家具の企画開発・デザイン・製造技術といった、両社の強みを掛け合わせることにより、県産材を活用した家具製作を通じて、地域の発展、持続可能な社会の実現に貢献する」とコメントしている。

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